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サウジアラビア・リヤドのキングダム・アリーナで1日(日本時間2日)開催された英国を代表するプロモーション、エディ・ハーン氏のマッチルーム・ボクシングとフランク・ウォーレン氏のクインズベリー・プロモーションズの5対5対抗戦のリングで行われたWBA・L・ヘビー級スーパー王座タイトルマッチは、王者ドミトリー・ビボル(ロシア=写真)が挑戦者7位マリク・ジナード(リビア)に6回2分6秒TKO勝ち。延期になった同級3団体統一王者アルツール・ベテルビエフ(ロシア)との4団体統一戦に弾みをつけた。
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オッズで30-1と絶対有利を予想されたビボルが初回、左→右→左のコンビネーションでジナードをキャンバスに這わす。先制したビボルは左ジャブでコントロールしながら右をフォローしてリード。4回終了時にジナードが詰め寄りエキサイトする。
5回、右ストレートを決めて一矢を報いたジナードだが続6回、右オーバーハンドで攻勢をかけたビボルが左フックで効かせて一気にチャージ。ロープを背にした挑戦者が手の出なくなったところでレフェリーが割って入った。
9連続判定勝ちだったビボルは2018年以来6年ぶりのストップ勝ちで23勝12KO無敗。サウジアラビアの仕掛け人で同国娯楽庁長官トルキ・アラルシク氏はベテルビエフとの仕切り直しを10月に開催したいと語った。初黒星のジナードは22勝16KO1敗。
ボールがWBAフェザー級王座獲得
同じリングのWBAフェザー級タイトルマッチは、WBC王者レイ・バルガスに続き連続して世界タイトルに挑んだWBA9位ニック・ボール(英)がV1戦に臨んだ王者レイモンド・フォード(米)に2-1判定勝ち。2度目の挑戦でベルトを巻いた。
試合は前半、ボールが積極的に攻め込んで優勢を印象づける。左構えで対応するフォードは押され気味になる。なおも波状攻撃を仕掛ける英国人にフォードは7回、左フックを浴びせて反撃。後半4ラウンド、激しく追い上げをかけた。
しかしスコアカードは115-113が2者に113-115でボールが勝利アナウンスを受けた。クロスファイトを制したボールは20勝11KO1分無敗。3月に戴冠したフォードは初黒星を喫し無冠となった。15勝8KO1敗1分。
また、WBCミドル級挑戦者決定戦は、WBC2位ハムザ・シェラーズ(英)が同5位オースティン・ウィリアムス(米)に11回45秒TKO勝ち。14連続KO勝利のシェラーズ(25)は20勝16KO無敗。初黒星のウィリアムス(28)は18勝11KO1敗。シェラーズはWBCミドル級シルバー王座の防衛も果たした。Photo by SUMIO YAMADA