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「ゲンコツ立川立飛大会vol.9」が9日、東京都立川市の立飛アリーナで行われた。メインのWBO女子アジアパシフィック・バンタム級タイトルマッチ8回戦は、王者ぬきてるみ(真正)が挑戦者の菊池真琴(石川ジム立川)に3-0判定勝ち。初防衛に成功した。
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◇WBO女子アジアパシフィック・バンタム級タイトルマッチ8回戦
ぬきてるみ(真正)[3-0(78-74×3)]菊池真琴(石川ジム立川)
3度の世界挑戦経験を持つぬきは今年1月に手にしたWBO-AP王座の初防衛戦。バンタム級とS・バンタム級で東洋太平洋王座に就いた菊池は3本目のベルト獲得に挑んだ。
ぬきが前に出てプレスをかけ、サウスポーの菊池が脚を使いながら迎え撃った。ぬきは序盤から左フックが効果的、返しの左やカウンターの左が菊池の顔面をとらえた。菊池も脚を使うだけでなく、右フックと左ストレートで対抗した。
馬力のあるぬきは5回、ボディ攻撃で菊池を攻め、右フックをクリーンヒット。ぬきはクリンチ際もしつこく手を出す。6回、ぬきにボディを攻められて苦しい菊池はラウンド終盤に気持ちで打ち合った。
菊池は最後まで奮闘したが、最終回もぬきの左フックが炸裂。ぬきのパワーが上回った。35歳のぬきは15勝10KO5敗。37歳の菊池は4勝1KO2敗。
ぬきは「サウスポーは苦手で、カウンターが怖く、なかなか攻めることができなかった」と試合を振り返りつつ、「世界を狙いたい」と世界再挑戦をアピール。WBC&WBOバンタム級王者ディナ・ソルスランド(デンマーク)をターゲットに定めた。
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◇S・ウェルター級8回戦
友松藍(RK蒲田)[TKO2回2分22秒]鈴木健介(リングサイド)
日本ミドル級1位の友松と鈴木はともにワンツーを主体で、右アッパーや左ボディにつなげていく。左の差し合いは友松がやや優勢だ。
2回、鈴木がピッチを上げ、鋭いワンツーで友松に迫り、試合が温まってくる。しかし、鈴木が前に出たところで友松の左フックがカウンターで炸裂、鈴木がキャンバスに崩れ落ちた。鈴木は立ち上がったものの、よろけてストップとなった。
友松はジム移籍初戦でキャリア初のKO勝ち。4勝1KO2敗1分。2度目のランカー挑戦に失敗した鈴木は連敗で5勝2KO2敗2分に。
◇S・ライト級8回戦
大野俊人(石川ジム立川)[引き分け(76-76×3)]星大翔(角海老宝石)
日本S・ライト級3位の大野は昨年8月、日本王者の藤田炎村(三迫)に挑戦失敗からの再起戦。日本ウェルター級8位、星との試合は激戦となった。
ジャブの差し合いから大野は右強打と左フック、ボディ打ち、星はショートアッパー、右フックで相手に迫る。2回は早くも打撃戦。大野が左フックを打ち込めば、星の右フックも決まり、序盤から目の離せない展開となった。
4回、星がペースアップ、上下にパンチを散らして左フックを好打するなど有効打を増やす。大野も強打で反撃するが、星はスリッピングアウェーでパンチを逃がすのがうまい。5回、星のパンチで大野が鼻を負傷した。
剛の大野、柔の星はともに譲らない。6回は大野が右ストレート、左フックを浴びせてチャンスをつかみ、星をロープに押し込む。星は反撃してこれを食い止める。
終盤は大野が攻めるシーンが目立った。星は大野のパンチをかなり被弾してきたがタフ。最終回は星が左ボディで大野にダメージを与え、大野は左右のビッグパンチを何発も決めた。大野は12勝11KO5敗3分。星は6勝3KO3敗4分。
◇56.3キロ4回戦
中田雅大(秩父)[TKO1回1分14秒]仲嶺祐二(久米川木内)
◇ウェルター級4回戦(東日本新人王戦)
笠松紘太朗(北澤)[TKO1回1分40秒]青木佳祐(高崎)