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「能登半島地震復興チャリティーマッチ」と銘打ったカシミジム主催の「拳の嵐2024」が16日午後金沢市の県産業展示館2号棟で行われた。メインのフェザー級8回戦には地元のスター、日本フェザー級11位の英洸貴(カシミ)が登場し、タイのソムサック・ヌーランに4回1分13秒TKO勝ち。試合後の勝利者インタビューではタイトル獲得にあくなき野心を口にしていた。
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長身の英は初回からジャブでプレスをかけた。ソムラック(23歳)もよく手を出したが、これは英には好都合。タイ選手の左リードに合わせて放つ右クロスが初回からよく決まった。2回に最初のダウンを奪ったのもこのブロー。英はその後もそつなく試合を運び、4回に2度のダウンを追加した直後にレフェリー・ストップがかかり、試合は終了した。
英(25歳)の出身地は能登半島ではないものの、地震の被害が少なくなかった内灘町。甚大な被害を受けたという知人もいて、そんな人々に少しでも勇気を与えたかったという。この日の試合内容は「まだまだです」とは言うものの、ジムでのスパーリングでは「相手に読まれてなかなか当たらない」という得意の右クロスがこの日は再三決まり、英は気分がよさそうだった。カシミジムは9月にも地元金沢で興行予定があり、英がメインで登場する。
これで英は13勝5KO2敗5分。日本で3敗目のソムラックは4勝3敗。
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セミの8回戦では、日本S・フライ級10位の藤野零大(カシミ)が長井京志朗(宇部BS)に3-0判定勝ち。昨年の全日本S・フライ級新人王の藤野は、2回にダウンを奪ったものの、倒し切れず。長井も左フック、右ストレートを再三決めて抵抗し、藤野は最後まで長井に粘られ終了ゴングを聞いた。
メインイベントの前に行われた能登半島地震の被災者救済チャリティーオークションでは、井上尚弥のサイン入りグローブが70万円で落札されるなど、観客も能登半島地震の被災者救済のために奮発していた。