
16日昼、福岡県北九州市の小倉北体育館でボクシング興行「HonKi Battle Vol.1」が、全6試合開催され、メインのフェザー級8回戦は、2022年度全日本フェザー級新人王の岡本恭佑(HKスポーツ)とウォーラポン・ヨーティカ(タイ)が対戦。桑原秀彦会長が2007年11月にジムを開設後、17年目にして初となる自主興行でメインイベンターを務めた岡本が、3回2分15秒KO勝ちをおさめ、昨年12月の日本同級ユース王座決定戦での初黒星から再起を飾った。《西村華江》

前戦の敗戦以降「基本的なことをはじめ、すべてにおいてレベルアップを図り精度をあげる練習をしてきた」と語った岡本は、速くて重量感ある左ジャブをウォーラポンの顔面に突き刺しては、ワンツーの右ストレートをヒットさせ序盤からリングを支配していく。
しかしタイ人は、素早いバックステップや柔らかい足さばきで決定打を許さない。2回、ウォーラポンは思い切り踏み込んで放ったワンツーからの左フックを、クリーンヒットしてみせた。対する岡本は、右スイングや左右フックを強振していくが空を切ってしまう。
3回、左ジャブから冷静に立て直しを図った岡本は、タイ人の足を止めるべく左ボディブローを要所で放ち、再びペースを取り戻していく。最後は、顔面にパンチを集めた後、左ボディ強打をウォーラポンのレバーにめり込ませ、テンカウントを聞かせた。
多くの仲間が駆けつけた初の地元の舞台で、見応えあるKO劇を披露し「日本チャンピオンの松本圭佑選手を目指している。その先に世界です」と明言した岡本は、7勝4KO1敗1分。ウォーラポンは、6勝5KO4敗。

◇S・バンタム級8回戦
平野岬(三松スポーツ)[TKO1回1分15秒]ポンサコン・ウォンウィチアン(タイ)
日本ランク13位の平野は、左リードを丁寧についてすぐさまペースを掴む。すると、リング中央でポンサコンのアゴへ左フックを叩き込み、すかさず「脱力して打った」という伸びやかな右ストレートでダウンを奪う。再開後、ダメージが残るタイ人をロープへ詰め、狙い澄ました右で再びダウンを奪いレフェリーストップを呼び込んだ。痛めていた右拳が完治したという平野は「思い切りできる」と、攻撃力アップに手応えを示した。

◇S・フェザー級6回戦
山名生竜(HKスポーツ)[TKO6回1分52秒]末吉史明(FUKUOKA)
サウスポー山名は右リードで先制すると、左ボディストレートを軸に前進。対する末吉は、バックステップをしながら右カウンターを狙っていく。が山名は、あえて静止したり、テンポを変えたりして揺さぶりをかけ、フリッカージャブや右ストレートを放っては、左はオーバーハンドやストレートと多彩な攻撃を仕掛け、ペースを掌握していった。最終回、山名は左で末吉から最初のダウンを奪うと、最後は、右アッパー強打からの左ストレートで再びダウンを奪い試合を終わらせた。

◇フェザー級6回戦
山内翔貴(本田フィットネス)[TKO3回2分17秒]ウィサヌ・ピムパー(タイ)
倒し倒されで、白熱の展開を繰り広げた両者。2回、山内が右ストレートで最初のダウンを奪う。すると、攻め急いだ山内に対し、ウィサヌが思い切りのいい右オーバーハンドでダウンを奪い返す。しかし3回、冷静さを取り戻した山内が右の打ち下ろしで2度目のダウンを奪取。再開後、山内は右からの左アッパーを決めると、ウィサヌはもんどり打ってダウン。ノーカウントで試合はストップされた。

◇65.0kg契約6回戦
堀田清太(HKスポーツ)[3-0(60-54 58-56×2)]日高健次(ウエスタン延岡)
元アマチュアボクサー(法政大学出身・36勝22敗)のサウスポー堀田は、軽快なフットワークとテンポのいい右ジャブで優位に立つと、左を上下に打ち分けポイントをピックアップしていく。初回のバッティングで腫れた日高の右額は、回を追うごとに堀田の左でさらに悪化。それでも日高はハイガードでプレスし続け、終盤は右強打を下から上につなげて粘りの追い上げを見せた。が、堀田も弛まぬ手数と旺盛なスタミナで反撃を阻止してみせた。
観衆=1,000人