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ロサンゼルス五輪(1984年)に出場し、全日本選手権8連覇の偉業を達成した元アマチュアボクシングの名選手、荻原千春さんが昨20日夜、埼玉県内の病院で亡くなった。67歳だった。
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荻原さんは茨城県出身。ボクサーとしては大器晩成型で、笠間高校から東京農業大学に進みボクシングを続けたものの、全日本選手権に初優勝したのは大学卒業後自衛隊体育学校に入った年(1979年)。
以来アマチュアの最高峰のこの大会に8年続けて優勝した(当時の日本最多記録)。国際大会にも数多く出場し、83年アジア選手権優勝。翌年のロサンゼルス五輪ではL・ミドル級の日本代表として3回戦まで勝ち進んだ。これはダグラス(英国)に敗れ、メダルには届かなかったが、長く「日本人選手には不向き」と言われた重量級でも活躍できることを十分に証明した。86年のアジア大会銀メダル獲得を最後に現役引退。
その後は体育学校ボクシング班のコーチ、監督、班長として後進の指導に当たり、55歳で自衛隊を定年退職後もアマチュアの審判として活躍。1987年10月からJOCの在外研修制度を利用して米国に1年間のコーチ留学も経験。近年は依頼されて慶応義塾大学のコーチを務めていた。アマ・プロの分け隔てなくボクシングの知識が豊富で、東京五輪前には墨田区から依頼され五輪ボクシングの講演もしていた。
ほとんど病気らしい病気もしたことがなかったが、5月初旬に突然心筋梗塞のため入院し治療を受けていた。葬儀は故人の実家近くのJAホール岩瀬で営まれる。通夜は6月23日(日)18時より、告別式は24日(月)13時半より。JAホール岩瀬の住所と連絡先は、茨城県桜川市中泉字星ノ宮378-1(電話0296-70-8255 FAX 0296-70-8256)