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11日、後楽園ホールで元アマチュア女子の津端ありさ(多寿満)がプロデビュー。S・ライト級4回戦でポンカモン・トーンプアク(タイ)にフルマークの判定勝ちを収めた。左ジャブを突きながら右へとつなげるオーソドックスなボクシングで危なげなくポンカモンを退け、まずは無難な勝利だった。
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「身長差があったのにパンチをもらってしまいました。焦って相手のパンチが当たる位置に入ってしまったのが課題です。でもいい経験になりました」(津端)
アマチュアは昨年の全日本選手権大会を最後に引退。プロから誘いがあって「ボクシングで何か成績を残したい」と転向を決意した。今年5月にJBCライセンスを取得し、満を持してのプロデビュー戦だった。
選手数が多くはない中重量級とあってアマチュア時代から「経験値が少なかった」という津端。プロ初戦に力んだが、セコンドの大和田正春トレーナー(元日本ミドル級王者)から「狙わなくていい」と指示され、平常心を取り戻したいう。
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狭山市出身の31歳で、看護師として働きながらボクシングをし、アマチュア時代は全日本選手権に優勝経験がある。東京五輪を目指したが、コロナ禍で五輪最終予選が中止となり叶わず。同様の境遇にあったアスリートの象徴として、東京五輪では開会式の式典に出演した。津端は現在も非常勤で看護師を続けている。「ボクシングに本気で打ち込んでいるので、常勤だと難しい」とのことだ。
プロボクサーとしての夢を聞かれた津端は「スーパーライト級の第一人者として開拓していきたい。中重量級もあるよと、あとに入ってくる人が増えればいいと思うし、大和田さんと世界に行きたい」と語った。