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井岡一翔のリベンジ戦は中止――。あす行われるはずだったWBA世界S・フライ級戦は、王者フェルナンド・マルティネス(アルゼンチン)がインフルエンザのため中止となることが30日の計量の際に発表された。この日もマルティネスは姿を見せず、マネジャー兼トレーナーのロドリゴ・カラブレッセ氏と井岡が会見に応じた。
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話を総合すると、マルティネスは26日午後に病院へ行き、インフルエンザと診断された。処方された解熱剤で高熱はおさまったものの、試合に出場できるだけのコンディションまで回復することはできなかった。マルティネス本人と陣営は26日の公開練習、29日の調印式と公式行事をキャンセルして体調の回復を図ったが、この日の朝9時に試合出場不可能を申し出たという。
マルティネスの意思確認のため宿舎を訪れた二宮雄介・志成マネジャーによると、マルティネスはベッドに横たわっており、「試合をやりたがっていましたが、とてもでないが戦える状態ではないと思いました」という。「(体調管理に)気を付けてはいたと思いますが……」と無念の表情で語った。
カラブレッセ氏は「申し訳ない。マルティネスはやれることを全部やりましたが回復できませんでした」と謝罪した。試合中止の連絡を受けた井岡は「心境は複雑」と明かしたものの、「マルティネス選手も(インフルエンザに)なりたくてなったわけではないし仕方ない。自分の中でこれを受け入れてやっていくしかないと思います」と、気持ちを切り替えると語った。
仕切り直し戦を延期して行う意思は両陣営にあるが、協議はこれからとなる。あすの興行はセミの堤駿斗(志成)-レネ・アルバラード(ニカラグア)戦がメインに繰り上がって開催される。チケットの払い戻しについては応じる構えで、志成ジムのサイトで詳細が明らかにされるという。
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堤-アルバラード戦はWBA・S・フェザー級挑戦者決定戦(10回戦)として開催され、この日の計量では堤が58.8キロ、アルバラードが58.3キロでクリア。「S・フェザー級は初めてですが、順調にきました。リカバリーをしっかりしてあすに備えたい」と堤は語っている。