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ヘビー級3団体統一王者オレクサンドル・ウシク(ウクライナ)との再戦に敗れた前同級WBC王者タイソン・フューリー(英)が13日、自身のインスタグラムで現役引退を宣言した。
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ビデオカメラの前でフューリー(36)は「ボクシングから引退することをアナウンスしたい。今から思うと一陣の風のように感じられる。すべてのシーンが思い出に残る。皆に神の恵みを。いつか別の場所で会おう」と語った。
12月21日にサウジアラビア・リヤドで行われたウシク戦の後、フューリーにはエディ・ハーン・プロモーター(マッチルーム・ボクシング)から英国のライバル、アンソニー・ジョシュアとのビッグファイトがオファーされていた。しかしフューリーがグローブを吊るす決断を下したことで、ハーン氏は「イギリスのファンはがっかりするけど彼の決断を尊重する」と映像メディアで答えている。
もっともフューリーはこれまでも何度か引退を口にしており、いずれ戻って来るのではという憶測も流れる。最初はウラジミール・クリチコを攻略して統一王座に就いた後、アルコールとドラッグ依存症に陥りメンタルヘルスの問題も抱え、引退を漏らした。またWBC王者となり、22年4月ディリアン・ホワイトを下した後も引退すると口走った。ESPNドットコムによると今回の発言を含めてフューリーはこれまで5度グローブを吊るすと語ったという。
それでもウシクとの2戦、その前に行った総合格闘技UFCヘビー級元王者フランシス・ガヌーとの試合で高額ファイトマネーを得たフューリーにリングに上がるモチベーションがどれだけ残っているかと指摘する向きは多い。