2025年の日本プロボクシング開幕──。14日、東京・後楽園ホールで開催された『第127回フェニックスバトル/ふじの国PROFESSIONAL BOXING6』のメインイベント、S・フェザー級8回戦は大畑俊平(駿河男児)が元S・フライ級世界ランカーのカルーン・ジャルピアンラード(タイ)を大差3-0判定で下した。スコアは79-73、79-73、80-72。
ペッチバンボーン・ゴーキャットジムのリングネームで知られるカルーンは、ガードの堅さとアームブロックの巧さが持ち味。それを見てとった大畑は、3パンチコンビネーションでガードを叩いてカルーンを誘い、カウンターを狙う作戦。いきなり右アッパーを打ってタイムリーにヒットする場面もあったが、返しの左に対し右オーバーハンドや左フックを合わされもした。
体格で大きく優る大畑だが、決して無理な攻撃は仕掛けない。カルーンも基本的に待ちのスタイルで、互いにカウンターを打つための前段階の攻撃に終始。ともにクリーンヒットは多くなかったが、攻撃手で上回った大畑がポイントを積み重ねた。
「ダサいですね。これから修行に入ります」と拙戦を嘆いた大畑(24歳)は4勝(2KO)1敗。カルーン(39歳)は55勝(29KO)16敗。
セミファイナルのバンタム級8回戦は田中湧也(大橋)が山口友士(三迫)に最終8回2分50秒TKOで下した。
サウスポーの田中は、行きすぎず引きすぎずの絶妙な距離、ポジションを徹底した。ジャブとフックを織り交ぜた右で山口の左側を支配。そして、自らの左ストレートが当たる位置に山口をセットした。4回に入り、山口は被弾も辞さずに攻めを強め、右から左フックを狙う。しかし、田中は乱れずに山口をいなし、左カウンターの頻度を上げていった。
再三左を浴びていた山口は、効くそぶりを見せなかったものの8回、田中が左の威力を強めて立て続けにヒットすると、山口コーナーがタオルを振って棄権をアピールした。
下半身をしっかりと固定して冷静さを保ち、相手をコントロールした田中(25歳)は4勝3KO1敗。日本S・フライ級1位の仁也を兄に持つ山口(23歳)は2勝1敗。
昨年5月、試合には勝利したものの、体重超過をおかした木村蓮太朗(駿河男児)が18年全日本新人王(フェザー級)の竹本雄利(クラトキ)と59.5kg契約8回戦を行い、初回2分、左ボディー一撃でKO勝利した。
サウスポー同士。身長で上回る木村と、木村の周囲をサークリングする竹本は、互いに右を突くスタートだったが、木村がより深い右で圧をかける。竹本の右に対し、左アッパーをボディーに合わせた木村は、左ストレートもボディーに突き刺すと、竹本の腰が明らかに引ける。竹本は足を使いながら回復を図ろうとしたが、ふたたび木村が鋭い左ストレートをボディーに一閃。キャンバスに落ちて悶絶した竹本に10カウントが数えられた。
S・フェザー級で日本王座を狙うと宣言した木村(27歳)は9勝5KO1敗。敗れた竹本(28歳)は9勝5KO4敗1分。
2024年高校選抜&インターハイL・ウェルター級を制した大胡晴哉(おおご・はるや、吉祥寺鉄拳)がライト級6回戦でプロデビュー。昨年10月の元東洋太平洋S・フェザー級&WBO-APフェザー級王者・森武蔵(志成)戦(森の8回判定勝ち)に続き来日したファン・ペン(中国)を初回1分22秒でTKOした。
森を苦しめたラフファイトに巻き込もうとしたファンだが、足を踏まれた大胡は即指摘してファンを牽制。右の相打ちをカウンターで決めて効かせると、一気にワンツーをまとめてファンを倒す。立ち上がったファンのダメージを見て、レフェリーが試合を止めた。
元A級選手の徳広さんを父に持つ大胡が幸先良い船出を切った。敗れたファンは10勝5KO11敗3分。
◆49.0kg契約6回戦
磯金龍(大橋)[KO2回2分53秒]クンパ・アーヤムアン(タイ)
◆52.5kg契約6回戦
小川椋也(天熊丸木)[引き分け1-0(58-56、57-57、57-57)]小川昴輝(駿河男児)
◆S。ライト級4回戦
横山雅徳(厚木ワタナベ)[引き分け1-0(39-37、38-38、38-38)]諸戸明来(花形)
◆48.4kg契約4回戦
橋本悠(JB SPORTS)[TKO1回2分45秒]本田優貴(八王子中屋)
◆52.5kg契約4回戦
小沼夢有人(渡嘉敷)[引き分け1-0(39-37、38-38、38-38)]ジェド・エンシナレス(駿河男児)