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東洋太平洋ライト級タイトルマッチが19日、後楽園ホール「WHO’s NEXT DYNAMIC GLOVE ON U-NEXT」のメインで行われ、挑戦者で元日本同級王者の宇津木秀(ワタナベ)が王者の鈴木雅弘(角海老宝石)がに5回2分54秒TKO勝ち。鈴木は初防衛に失敗した。
今年1月、ロルダン・アルデア(フィリピン)を衝撃の初回TKOで下し王座に就いた鈴木の初防衛戦。22年2月の日本王座決定戦で9回TKO負けしている宇津木を挑戦者に迎えた。
スタートからアクション満載。互いにジャブからコンビネーションにつなげ、宇津木はアッパーを織り交ぜて、シャープな右ストレートを打ち込み、鈴木は左フックで迫った。どちらのパンチも力強い。圧力をかけているのは鈴木か。
2回も鈴木が仕掛け、激しくパンチが交換された。鈴井が左右のボディから左フック。宇津木がワンツー、左ボディを打ち込む。鈴木の右フックが、宇津木の左フックが互いの顔面をとらえた。
宇津木は3回になると冷静さを発揮し、脚を動かしんがらジャブでペースをつかみにかかる。鈴木がプレスをかけきれず、得意の左フックが当たらない。4回終了時の公開採点は39-37×3で宇津木がリードした。
宇津木は5回、ジャブから軽打をテンポ良く繰り出し、右強打をヒット。リズムに載ってきた。さらに左フックで鈴木がフラつくとロープwp背負わせてラッシュ。主審が鈴木を救った。
宇津木は昨年4月、仲里周磨(オキナワ)に敗れて以来、1年3ヵ月の無冠時代を脱出。14勝12KO1敗。鈴木は10勝7KO2敗1分。
宇津木は「とにかくベルトが手元にあるのがすごくうれしい。ここから再スタートというつもりで戦っていた。鈴木選手が最初からくるのは感じていた。付き合わないようにと思っていたけど、小林トレーナーに怒られた。統一したいと思っている」と地域王座統一を目標に掲げた。
◇69.4キロ8回戦
辻本純兵(帝拳)[TKO1回1分39秒]長濱陸(石田)
日本S・ウェルター級10位の辻本と元東洋太平洋ウェルター級王者で現日本同級8位の長濱が激突。初回、長身の辻本が長濱の左の打ち終わりに右を決めると、長濱がダウン。立ち上がったもののダメージを感じさせる。再開後、辻本は手を出してしのごうとする長濱をコーナーに追い込み、最後は右カウンターを打ち下ろして長濱を沈めた。11勝7KO2敗3分。長濱は3連敗で13勝4KO6敗1分。
◇S・バンタム級8回戦
福井勝也(帝拳)[TKO4回終了]ベン・マナンクィル(フィリピン)
日本S・バンタム級8位の福井と元WBO-APバンタム級王者マナンクィルの一戦。体格で大きく上回る福井が差すポーのマナンクィルにプレッシャーをかける立ち上がり。マナンクィルは2回、左オーバーハンドを当てるがパワーはいまひとつだ。
やや攻めあぐねている印象の福井は3回、左ボディでダメージを与えると、畳みかけて左ボディでダウンを奪う。4回、福井が再び左ボディでダウンを奪うと、ここからマナンクィルが最後の力を振り絞って反撃、左フック、アッパーで福井に迫った。
しかし福井が左ボディでさらに2個のダウンを追加した。マナンクィルは立ち上がったが、インターバルで申し出た。福井は8勝6KO。マナンクィルは19勝6KO5敗3分。
◇フェザー級6回戦
高優一郎(横浜光)[3-0(59-55×2、60-54)]コウ・ジュンサイ(中国)
5月にB級デビューした拓大出身の高がプロ2戦目。高はスタートからジャブ、ワンツー、ボディ打ちでコウに迫る。コウも右フックで対抗。互いにガッチリ固めたブロッキングを崩そうとパンチを打ち込んでいった。
回転力とジャブ、ボディ打ちで上回る高は3回、コンビネーションを次々と放ちコウを下がらせる展開にする。高はその後も攻め続けたが、コウが粘り、最終回はコウが反撃して意地を見せた。高は2勝。コウは3勝1KO3敗1分。
◇ミドル級4回戦(東日本新人王戦)
伊吹遼平(三迫)[TKO1回1分38秒]山田健太郎(高崎)
◇S・ライト級4回戦(東日本新人王)
新村康行(SRS)[TKO1回1分28秒]齊藤裕大(KGB大和)
観衆=1184人