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13日、神奈川・横浜武道館で行われた『TREASURE BOXING7』。メインイベントのS・バンタム級10回戦は、元世界3階級制覇で現WBO6位、WBC7位、IBF13位のジョンリエル・カシメロ(比)が、WBOバンタム級8位、WBC同12位のサウル・サンチェス(米)を初回に2度倒して2分41秒、レフェリーストップによるTKO勝ちした。
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カシメロの魅力満載の見事な勝ちっぷり……と評したいところだが、前日計量1度目で1kgオーバー、2時間後の再計量でも600g越えてしまい、規定の体重を作れなかった。このことを差し引かねばならない。世界ランカーとはいえ、ただでさえ1階級下のサンチェスとの差はこれで歴然としてしまった。
荒々しく豪快なアッパー、左フック。これを食ってバランスを崩し、グローブをキャンバスに着いてダウンを取られたサンチェスは、打ち返してカシメロの迫力を跳ね返そうとしたが、それはカシメロの思うつぼ。待ってましたとばかりにカシメロが左フックを合わせると、今度はドンピシャのカウンターに。サンチェスはバッタリと倒れ込んだ。なんとか立ち上がったサンチェスだったが、大きなダメージを認めたレフェリーは試合を止めた。
計量をクリアできなかったことを謝罪しつつも、「試合ではそのことを忘れて、倒すことだけを考えていた」とカシメロ。かねてから熱望する井上尚弥(大橋)との対戦をあらためてアピールしたが、体重オーバーの“常習癖”があることは、大きなマイナスだ。34勝23KO4敗1分。まったくいいところなく敗れ、気の毒なほどだったサンチェスは21勝12KO4敗。