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17日、東京・後楽園ホールで行われた61.0kg契約10回戦は、S・フェザー級で世界挑戦が秒読み段階に入る力石政法(大橋)が、フィリピンS・フェザー級3位のアルネル・バコナヘ(比)を2回2分38秒、強烈な左ボディーカウンターで悶絶させてKO。ジム移籍初戦でメインイベントを張る大役を見事に果たした。
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バコナヘが繰り出す重い右ストレートを両腕でしっかりと止め、左ストレートからグンと伸びる右ロングフックを飛ばした力石。2回に入ると右リードをリズムよく連打して左を打ち込む絶好のタイミングを計り、バコナヘの右ショートに合わせて左アッパーをカウンター。右サイドボディーの急所を刺されたバコナヘは、力石がフォローする右フックも食らってキャンバスに落下。ヒザを着きながら悶え苦しみ、テンカウントが数え上げられた。
「もっと長いラウンドを戦いたかった。あれで倒すつもりじゃなかった」と涼しい表情で話す力石。12日にIBF・L・フライ級王座を制し、世界王者に返り咲いた兄・矢吹正道(LUSH緑)の圧勝劇に「変な試合をできない」と大きな刺激を受け、その通りの快勝をあげた。
現在の力石の世界ランクはIBF3位、WBC6位、WBO8位。「簡単に世界戦をできる階級ではないので、僕はいつでもできるように準備しています」と念願の初挑戦を虎視眈々と待つ構え。「兄弟同時世界チャンピオンになりたいので、王座を返上しないで待っていてほしい」と、減量が厳しく、階級アップを表明する兄への注文も忘れなかった。16勝(11KO)1敗。怖さを漂わせたものの、力石の技にあっさり仕留められたバコナヘは17勝(12KO)9敗となった。