13日後楽園ホールの女子ダブル世界タイトルマッチのメインイベント、WBO女子世界バンタム級タイトルマッチは、王者の藤岡奈穂子(竹原&畑山)が挑戦者の真道ゴー(グリーンツダ)に3-0で判定勝ち。初防衛に成功した。
日本女子ボクシングのベストファイトといっていい名勝負だった。日本人女子で初めて3階級制覇した40歳の藤岡と、元WBC女子世界フライ級王者の28歳、真道との一戦。試合はいきなり波乱。真道の深く踏み込んで放つ右ストレートで藤岡がたまらずヒザを折った。クリンチに逃れるなどしてダウンは免れたものの最強の女王がピンチに立たされた。
しかし2回今度は藤岡が左ストレートを差し込んでから叩きつけるような右を連発し、真道をガード一辺倒にするのだから1910人観衆が大いに盛り上がった。藤岡はその後もクイックなフェイントから打ち込む左フック、右ストレートで優勢。元チャンピオン真道を鬼気迫る表情で攻め続けた。
真道も鼻血を出しながら懸命に応戦する。しかし迎えた8回藤岡が右ショートを叩き込むと崩れるように真道はついにダウン。ここはゴングに救われた真道は、9回以降も最後までチャンピオン藤岡に抵抗を試みた。スコアは97-92、98-91、98-91の3-0だった。互いに意地をむき出しにし、技術レベルも高くスリリングな一戦。これで早くも今年の女子年間最高試合は決定、という声にもうなづけるほどだ。藤岡は15勝6KO1敗。真道は16勝11KO4敗。