メキシコは昨夜大地震に見舞われ、首都のメキシコシティーも振動や停電が相次いだが、その困難を乗り越えて15回目のボクシング・ルネサンスが8日、日墨会館の大広間で開催された。
恒例となった日墨対決は、アマチュアの日系2世ショー・オカモトがペドロ・アギラルと3回戦。名門・日章学園高校に留学経験のあるオカモトは、1回からエンジン全開で、ペドロを追い回すものの、やや闘志が空回りし、時折ペドロの反撃を許す。場内は「メヒコ・コール」で沸きに沸いた。2回から落ち着きを取り戻したオカモトは、2度のダウンを奪い、3-0判定勝ちで国際戦初勝利を飾った。
メインは、WBCラテンアメリカ・フライ級王者のマリオ・アンドラーデが、シティーの若手ジョバンニ・アンドラーデと8回戦で対決。31歳のマリオに対し、ジョバンニは21歳で、世界ランカーのオズワルド・ラソンをKOして勢いに乗っている。
初回は、そのジョバンニが若さとパワーで、ベテランのアンドラーデに肉薄、ワイルドな左右強打でベテランをたじろがせる。ところが、ラウンド終了間際にマリオの右カウンターが絶妙のタイミングで入り、ジョバンニがダウン! これはゴングに救われた。
2回以降、マリオがKOを狙って手数を増やすが、若いジョバンニは回復が早く、再び左右の強打を繰り出し、試合は猛烈な打ち合いになる。 この打ち合いの中で、マリオがスピードと正確さで上回り、クリーンヒットを重ねて迎えた5回、左アッパーが若手のあごの先端をとらえると、それまで耐えていたジョバンニが、ついに腰から崩れ落ちるようにダウン。テンカウントを聞いた。
結果的には、ベテランが若手にレッスンをつけたような形になったが、勇敢に戦ったジョバンニにも惜しみない拍手が送られた。次回は、12月1日を予定。主催者は日本人選手の参加を呼び掛けている。