9日(日本時間10日)スタブハブ・センターで行われた「SUPER FLY」の先陣を切るWBC世界S・フライ級挑戦者決定戦は、同級3位フアン・フランシスコ・エストラーダが同級2位カルロス・クアドラスとのメキシカン対決を制した。
元WBA&WBO世界フライ級王者で11年にローマン・ゴンサレスに敗れているエストラーダと元WBC・S・フライ級王者で昨年9月にゴンサレスとの全勝対決に敗れたクアドラス。ともにロマゴンとの再戦を求めるメキシカンが激突した。
スタートはクアドラスが積極的だった。時に強引に前に出て左右のボディ、荒っぽい左フックを打ち込むなど、先手を取ってエストラーダに圧力をかけた。2回から足を使ったり、スイッチしてりしてエストラーダをかく乱。エストラーダはクアドラスの動きに十分に対応できない印象だ。
しかし観客のガジョ・コールに後押しされたエストラーダは中盤に入ると反撃開始。5回に左フック、6回に右ストレートを決めるなどパンチの精度を上げると、7回にはボディ攻撃を絡めたコンビネーションを打ち込んでクアドラスを後退させる。クアドラスは運動量が落ちてきた。
エストラーダは9回にペースダウンしたが、10回に右ストレートを決めると、クアドラスが尻からダウン。エストラーダは勝負を決めに行ったが、立ち上がったクアドラスが何とかしのいだ。
11、12回、クアドラスはそれなりに立て直したが、有効打で上回るエストラーダが優勢のままゴールテープを切った。
リングアナウンサーのマイケル・バッファが最初に読み上げたスコアはジャッジ3者ともに114-113。勝者がクアドラスとコールされると客席から大ブーイングが起きる。少しして勝敗は逆でエストラーダの勝利が伝えらえると、またもや会場が沸いた。エストラーダは36勝25KO2敗。クアドラスは36勝27KO2敗1分。
◇S・フライ級8回戦
ブライアン・ビロリア(米)[TKO5回44秒]ミゲール・カルタヘナ(米)
元2階級制覇のビロリアが4月に日本で元WBC世界フライ級王者の五十嵐俊幸(帝拳)と対戦し、3回負傷ドローに終わったカルタヘナが対戦。カルタヘナは初回終盤に左フックを決めて、ビロリアの動きを止めたが、ビロリアはここを冷静に乗り切ると徐々にペースアップ。4回に右でダメージを与えると、後退を続けるカルタヘナを追いかけ、5回にカルタヘナが戦意喪失気味になったところで主審が試合を止めた。ビロリアは38勝23KO5敗。カルタヘナは15勝6KO4敗1分。