カーディフのプリンシパリティ・スタジアムに満員の観衆を集めて行われた世界ヘビー級タイトルマッチは、王者アンソニー・ジョシュア(英)が挑戦者カルロス・タカム(カメルーン)に10回TKO勝ち。IBF、WBAスーパーの2王座をキープした(マイナー団体のIBO王座も防衛)。
試合は体格、パワーで上回るジョシュアが圧力をかけてスタート。タカムは脚をうまく使ってそのプレッシャーをはぐらかしていたが、4回、ジョシュアが挑戦者の入り際を左フックでとらえ、最初のダウンをマーク。デビュー以来の連続KO勝利記録を楽々と伸ばすかと思われた。
ところがタカムも健闘した。チャンピオンの決定打から身を守りつつ、時折強い右を振って返してサバイバル。ジョシュアもスタミナを気にしてか、強引に行かず、左ジャブを使いながらチャンスをうかがう。
フィナーレは10ラウンドに訪れた。タカムの粘りで判定決着もあり得るかというところ、ジョシュアの右ショートアッパーがさく裂。ぐらりとしたタカムに追撃を続け、ワンツーが決まると主審がストップした。まだタカムはやれると見えたが、唐突な幕切れだった。
これでジョシュアのパーフェクト・レコードは20に。来年はWBC王者デオンタイ・ワイルダー(米)との統一戦に期待が高まる。敗れたタカムは35勝27KO4敗1分。Photos/SUMIO YAMADA