WBA世界バンタム級チャンピオンの井上尚弥(大橋)が26日、キャンプ先の静岡県熱海市でトレーニングを公開。バンタム級最強決定戦に位置付けられるワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)に向けてフィジカル強化に励んだ。
井上は5月25日にジェイミー・マクドネル(英)から王座を奪取。WBSS出場を高らかに宣言したものの、日時や対戦相手などの具体的な内容は明らかになっておらず、この日の井上は「そろそろ詳細を知りたい」と本音を打ち明けた。
とはいえ、バンタム級の王者が軒並み出場する大会とあって「モチベーションは高くやれている」というのが現在の井上。というのも、マクドネルに勝利してリング誌のパウンド・フォー・パウンド・ランキングは日本人選手過去最高の5位に上昇しながら、井上はまだまだ満たされていないからだ。
「PEPランキングはそんなに気にしてないけど、まだまだやらなくちゃいけない相手がいるし、勝たなくちゃいけない相手もいる。トーナメント(WBSS)で優勝して5位なら納得できる。まだバンタム級最強を証明していない」
そのためにもフィジカルトレーニングの重要性は高い。熱海で井上は午前に砂浜トレーニング、午後に階段トレーニングの2部練習を敢行。午後の練習では、114段ある階段でダッシュ、手押し車、ジャンプなどを繰り返し、帯同する弟の拓真、従弟の浩樹の先頭を張りし続けた。
「体幹はかなり鍛えられている」と語る25歳の3階級王者は、7月末から8月にかけても同様のキャンプを行う予定。バンタム級最強の称号を手にするための努力はまだまだ続く。