ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)シーズン2の開幕戦(7日・横浜アリーナ)に出場するWBA世界S・ライト級チャンピオン、キリル・レリク(ベラルーシ)の公開練習が1日、東京・神楽坂の帝拳ジムで行われた。
当日は井上尚弥(大橋)-フアン・カルロス・パヤノ(ドミニカ共和国)のWBAバンタム級戦とレリクのWBA・S・ライト級王座防衛戦がWBSSシリーズの一環で開催され、これに拳四朗(BMB)のWBC・L・フライ級戦が加わるトリプル・ヘッダー。レリクは元IBF王者エドゥアルド・トロヤノフスキー(ロシア)を相手に初防衛戦に臨む。
先週木曜日に来日したレリク。これがもちろん初来日で、「世代から世代へと伝統を受け継ぐ国だ」と日本の印象を語った。続けて「ベラルーシのことはみんな知らないでしょうけど、どうぞ遊びに来てください」とリップサービス。
28歳のレリクは、ヘビー級セルゲイ・リヤコビッチなどを輩出した旧ソ連ベラルーシのチャンピオン。12歳で元ボクサーの父の影響でグローブを握り、アマチュア時代は五輪の代表候補選手になるなど通算300勝15敗の戦績を残した(自己申告)。
2011年4月に首都ミンスクでプロデビュー。世界初挑戦のリッキー・バーンズ(英)戦、その直後のランセス・バルテレミー(キューバ)戦はいずれも敵地で微妙な判定を落としたが、昨年3月、バルテレミーとの直接再戦を12回判定で制してタイトルを奪取した。プロでは22勝19KO2敗。積極的に前に打って出ていく右ボクサーファイターだ。
キャッチコピーの「マッド・ビー(凶暴な蜂)」の由来は、「リングでは激しく試合をするからかな」とレリク本人。プライベートではおとなしい性格らしく、この日の会見でも物静かな印象を与えた。「トロヤノフスキーのほうが私よりも経験豊富かもしれないが、チャンピオンは私」と控えめに勝利宣言。
WBSSトーナメントではまず初防衛と、そして優勝を狙っている。シーズン2に同じく出場する同胞のイバン・バランチェクについては「意識してない。知りたければインターネットで調べてくれ」とそっけなかった。
公開した練習はシャドー、ミット、バッグ打ちを1ラウンドずつ。ノーマン・ウィルソン・トレーナーによると「彼はボクシングもできるしパワーもある。12ラウンドをフルに戦えるよう練習している」とのことだ。普段は米マイアミでトレーニングしているという。