衝撃の70秒KO勝ちでワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)バンタム級準決勝進出を決めたWBA同級王者の井上尚弥(大橋)が18日、20日(日本時間21日)に米フロリダ州オーランドで行われるWBSS同級準々決勝を視察するため日本を旅立った。
オーランドのCFEアリーナでゴングとなる準々決勝のカードは、IBF同級王者エマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)vs指名挑戦者ジェイソン・マロニー(豪)。この試合の勝者が来春、井上と準決勝を争うことになる。
出発前に成田空港で取材に応じた井上は、「2人ともダイジェストしか試合を見ていない」と前置きした上で「河野(公平)さんとやったときのマロニーはうまいボクシングをしていた。両方ともテクニックがあるので、テクニック勝負になるのかな」と試合展開を予想。現時点で勝者はロドリゲスになると考えているが、「どちらがきても対応できるようにしたい」と抜かりはない。
リングに上がる?「全然いいですよ!」
優勝候補ナンバーワンの井上が現地観戦するのだから、オーランドでは試合後にリング上に招かれる可能性もあるだろう。これについて井上は「全然いいですよ!」とウェルカムの構え。勝者との準決勝はアメリカ開催が有力なだけに、前景気を盛り上げるためにもぜひリングインしたいところだ。
トーナメントの逆の山では、WBO王者ゾラニ・テテ(南ア)が13日、ロシアでミーシャ・アロイヤン(ロシア)を下し、井上に続いて準決勝進出を決めた。
テテは新鋭相手に初回にダウンを奪いながら、その後は見せ場を作れなかった。井上は初回しか見ていないそうだが、「(自分が70秒KO勝ちして)それは意識するんじゃないですか。そういう試合を見せられたら自分だって影響すると思いますよ」とライバルを気遣った。
もう一つの準々決勝、WBAスーパー王者ライアン・バーネット(英)と元5階級制覇王者ノニト・ドネア(比)の試合は11月3日、英グラスゴーで行われる。この勝者とテテが準決勝で対戦する。