「第580回ダイナミックグローブ」が19日、後楽園ホールで開催され、メインのS・バンタム級10回戦は、WBCとIBFでS・バンタム級の世界4位にランクされる和氣慎吾(FLARE山上)が元日本1位の中嶋孝文(竹原&畑山)に6回2分20秒TKO勝ちした。
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和氣は中嶋に手こずりながら6回でフィニッシュ
セミでは日本フェザー級1位の阿部麗也(KG大和)がアマ110勝の“警察官ボクサー”杉田ダイスケ(ワタナベ)に大差判定勝ち。5月1日のチャンピオンカーニバルで王者の源大輝(ワタナベ)に挑戦することが決定した。
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6年8ヵ月ぶりの再戦、中嶋は和氣を祝福した
◇S・バンタム級10回戦
和氣慎吾(FLARE山上)[TKO6回2分20秒]中嶋孝文(竹原&畑山)
12年5月以来、6年8ヵ月ぶりの再戦。前回の試合で勝利した中嶋がスタートから右で仕掛けたが、2度目の世界を狙うサウスポー和氣も下がらずに応戦。和氣は2回、カウンターの左アッパーを決めて中嶋を下がらせた。
3回以降、中嶋は手数が伸びず、和氣はやりづらいのか、こちらも快調とはいえないままラウンドは進行。それでも6回、和氣の左アッパーがカウンターで炸裂し、中嶋がキャンバスに転がる。和氣は立ち上がった中嶋に再び左を決めてフィニッシュした。
和氣は26勝18KO5敗2分。「欲を言えばもっと早く倒したかったけど、やりづらかった。距離が長くて難しかった。判定までいったら、大したことないと思われると思ったけど、これで自信を持って世界をアピールしていきたい」。中嶋は29勝13KO12敗1分。
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阿部は5月、満を持して日本王座に挑む
◇57.8キロ8回戦
阿部麗也(KG大和)[3-0(80-70×2、79-71)]杉田ダイスケ(ワタナベ)
サウスポー阿部がフェイントをかけながら誘うが、杉田は乗ってこないという立ち上がり。それでもスピードと体格で上回る阿部は徐々に左を合わせ始め、3回には杉田(主戦場はS・バンタム級)が鼻血で顔を染めた。
阿部になかなか触れない杉田は5回に攻撃姿勢を強めたが、足がそろったところ、阿部に左を合わされて尻からダウン。阿部はこの回、右をひっかけて2度目のダウンも奪った。
阿部はその後も試合をコントロールした。最終回に距離を詰めてKOを狙ったが、杉田が最後まで粘った。阿部は19勝9KO2敗。プロ初黒星の杉田は4勝3KO1敗。
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若手ランカー対決は大嶋(左)が逃げ切った
◇バンタム級8回戦
大嶋剣心(帝拳)[3-0(77-76、77-75×2)]定常育郎(T&T)
日本バンタム級8位の大嶋が距離を取ってカウンターを狙い、日本同級4位のサウスポー定常はボディへの左ストレートで大嶋を崩そうと試みた。大嶋は2回に左を外して右を打ち込み、定常にダメージを与えた。
大嶋がカウンター、定常がボディへの左ストレートとそれぞれ持ち味を出しながら試合は進み、有効打ではやや大嶋が上か。6回、右アッパーを決めてスパート、見せ場を作る。
しかし7回、定常が左ストレートを決めて反撃すると、大嶋がピンチに。最終回はともに打ち合って終了ゴングを聞いた。大嶋は5勝3KO1敗1分。定常は9勝3KO3敗3分。
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長濱(右)はチャンスを作りながら金本に粘られた
◇ウェルター級8回戦
長濱陸(白井・具志堅S)[3-0(78-74、79-73、80-71)]金本祥平(グリーンツダ)
体格のいい日本S・ウェルター級3位、長濱はジャブ、力強い右ストレートを上下に打ち分け、3回には右を決めてダウンを奪った。長濱は5回に右でダメージを与え、6回には金本をあと一歩まで追い込むも詰めが甘い。後半は劣勢の金本が反撃するシーンも何度か見られ、判定決着となった。長濱は9勝4KO2敗1分。金本は12勝4KO13敗1分。
◇S・フライ級8回戦
今川未来(木更津グリーンベイ)[TKO3回3分]モハマッド・ソリミン(インドネシア)
17年全日本新人王のサウスポー、今川は滑り出し、小柄なソリミンとの距離感がつかめず、クリンチが多かったが、2回からボディが決まり出し、最後は連打でストップ勝ちした。今川は9勝3KO5敗。ソリミンは4勝3KO8敗。