WBO世界フライ級タイトルマッチ(16日、岐阜メモリアルセンターで愛ドーム)でチャンピオンの田中恒成(畑中)に挑む元WBA・IBF世界L・フライ級統一王者の田口良一(ワタナベ)が12日、東京・五反田のジムで練習を公開した。
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ここ数試合では最高のコンディションに仕上がった田口
昨年5月に王座陥落、再起戦でクラスを上げ、いきなり世界戦を迎える田口は「田中選手に勝ことで、今までで一番の自信を手に入れられると思う。メリンドのとき(WBA・IBF統一戦)もモチベーションは高かったけど、過去最高のモチベーションかもしれない」と、若き3階級制覇王者、田中との一戦にかける意気込みを語った。
再起にあたり、昨年9月からタッグを組む元日本フェザー級王者の梅津宏治トレーナーと自らのボクシングを徹底的に見直した。梅津トレーナーによると、打ち終わりのガード、打ち終わりのバランス、バックステップしたときの姿勢など、細かく乱れれていたところをていねいに修正。反応とハンドスピードがめっぽう速い田中に備えた。
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L・フライ級時代に流れた田中との一戦に「運命を感じる」
また、梅津トレーナーは田口に食事の写真を送らせ、不要なもの、もっと必要なものをアドバイス。あまり水分を摂らないという傾向も見直し、コンディショニングの改善を図った。フライ級に上げて減量も楽になり、渡辺均会長は「L・フライ級のときは覇気がなかったが、今回は全然違う」と田口に変化に驚くほどだ。
L・フライ級時代は8度の世界戦でマンネリもあったに違いないが、心機一転、今回の田口は久々にみなぎるものを感じさせる。「この試合に勝って、さらに上に行きたい」。“燃える男”は前日計量から田中の地元・岐阜に乗り込む。