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10日、豪州ウロンゴンのWINエンターテインメント・センターで行われたS・バンタム級12回戦は、IBFとWBOで1位を占めるサム・グッドマン(豪州=55.26キロ)がWBC同級8位チャイノイ・ウォラワット(タイ=55.08キロ)に3-0判定勝ち。同級4団体統一王者の井上尚弥(大橋)挑戦を見据える。
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無敗同士。慎重な出だしのグッドマンは序盤、チャイノイの繰り出す右をかわすと4回、左ボディーをねじ込む。6回にも左フックを決めたグッドマンに対し中盤タイ人は右を放って反撃。9回には前進して左右アッパーを浴びせグッドマンを脅かす。
チャイノイはサウスポーにチェンジするなどなおも揺さぶりをかけたが、グッドマンは11回、左右コンビネーションを見舞って再び優勢。最終回チャイノイは突進して攻め込んだが逆転は成らなかった。スコアカードは117-111、117-113、119-109でグッドマンが支持された。
試合後、グッドマン(19勝8KO無敗=25)は左拳を負傷したと告白。4回あたりから痛みがはしり、6回にさらにひどくなり、9回ぐらいには「骨折したようだ」と明かしたという。現地メディアが伝えた。チャイノイ(27)は25勝15KO1敗1分。
グッドマンは井上の次期挑戦者の最有力候補だったが交渉は進展せず、このチャイノイ戦を優先したことで、一部で「対戦拒否」と受け取られていた。代わってWBO2位TJ・ドヘニー(アイルランド)が井上の挑戦者に浮上している。それでも勝者は「我々はモンスターを追いかけて絶対、捕まえるつもりだ。レッツゴー!」と意気盛んだった。
グッドマン陣営は12月をメドに井上へ挑戦を目指しているが、今回の負傷の経過でどうなるか。井上が保持するベルトの一つWBAは1位ムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)との指名試合を通達しており、今後の動向が注目される。