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今月26日に開幕するパリ五輪のボクシング競技に出場する岡澤セオン(INSPA)と原田周大(専修大)が11日、味の素ナショナルトレーニングセンターで練習を公開。金メダル獲得に向けた抱負を語った。
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2021年世界選手権ウェルター級(67キロ級)金メダリストの岡澤は2020東京大会に続き2大会連続の五輪出場。2回戦で涙をのんだ東京大会との違いを問われると、「メンタル的に落ち着いている。東京のときは絶対に獲るぞ、絶対に獲るぞ、という感じだったけど、今回は大会ではなく、今だけを見ている。しっかりやれば金メダルを獲れる自信がある」と余裕を感じさせた。
22年からライトミドル級(71キロ級)となり、「強いパンチを打たないといけない」と思うあまりスタイルを崩し、2023年5月の世界選手権はメダルなしに終わった。その反省から原点に回帰し、得意のアウトボクシングに磨きを掛けて10月のアジア大会で優勝、五輪出場権を獲得した。その後も長所を伸ばし、今では「自分のアウトボクシングは海外の選手にも負けない」と自信の表情だ。
アマチュアボクシングの人気向上にも精力的な岡澤は「金メダルを獲ってやりたいことがたくさんある。たくさん目立ちたい」と語り、金メダリストの発信力を利用して、アマチュアボクシングをさらに盛り上げようとしている。
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フェザー級(57キロ)に出場する原田は今回が初めてのオリンピック。昨年10月にオリンピック出場を決めて以降は、「自分はキャリアが浅く、海外の選手との対戦も少ない。海外遠征を経験して強化してきた」と岡澤とともに海外勢と手を合わせ、実力アップを図ってきた。
持ち味は常に動き続け、しつこくジャブを突く「相手が嫌がる」ボクシングだ。プロ世界王者の中谷潤人(M.T)らとスパーリングを重ねて実力を磨いた原田は「やってきたことを信じてやる。今の自分のベストを出せるように最終調整をしていきたい」と勢いに乗ってパリに乗り込むつもりだ。