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7.20両国国技館「Prime Video Presents Live Boxing 9」でWBAバンタム級7位の那須川天心(帝拳)と120ポンド契約10回戦を行う同4位ジョナサン・ロドリゲス(米)が12日、帝拳ジムで公開練習を行った。
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昨晩来日したロドリゲス(25=17勝7KO2敗2分)は物静かな印象の選手。大きなことは言いたくない様子で、「私は自分から何が優れていると公言するつもりはない。一つ言えるのは私のほうがボクシングのキャリアがあるが(那須川は3戦)、彼にもリングでのキャリアはある」といった具合。代わって父のインディオ・トレーナーが「すべてのスキルが高く、穴がない」とドロリゲスの強みを説明した。
昨年11月、元S・フライ級王者カリド・ヤファイ(英)を右フック一撃で倒し、初回KOで下した試合が出世試合だ。今年2月には現WBA1位アントニオ・バルガス(米)に敗れたものの、この試合でも初回に右でダウンを奪っている。これについてロドリゲスは「右は強みであるが、私はファイターとしていくつかいいパンチを持っている。何が武器かは20日に見てほしい」と語った。
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プエルトリコで生まれ、8歳のときに家族でニューヨークに移住。しかし父親のアルコール依存症や暴力によって学校も十分に通えず、ホームレスシェルターに世話になった時期もあった。12歳でボクシングを始め、トレーナーのロドリゲス氏と出会った。ペンシルベニア州ベツレヘムに落ち着き、18歳の誕生日にインディオ氏の養子となったという経歴を持つ。アマチュア戦績は54勝4敗。
夢はもちろん世界チャンピオンになることで、バンタム級の4団体王者がそろう日本でのファイトは願ってもないチャンスだ。ロドリゲスは「KO宣言をするつもりはない。自分の試合をしたい」と語り、那須川との世界ランカー対決を制し、再び日本に乗り込んで世界挑戦する意気込みだ。
公開練習ではシャドーボクシングとミット打ちを2ラウンドずつ。練習を見守った粟生隆寛トレーナーは「雰囲気として勝てるという感覚は出てきた。ヤファイを倒した右、近い距離の左フックに気をつけて、できるだけ近い距離に入らずに組み立てたい」と試合をイメージした。