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WBOフライ級王座決定戦が20日、両国国技館「Prime Video Presents Live Boxing 9」で行われ、同級3位アンソニー・オラスクアガ(米)が同2位の加納陸(大成)に3回2分50秒KO勝ち。プロ8戦目で世界タイトルを獲得した。
サウスポーの加納は16年8月、高山勝成(石田)とのWBOミニマム級王座決定戦に敗れて以来およそ8年ぶりの世界戦。オラスクアガは昨年4月、ピンチヒッターでL・フライ級2団体王者の寺地拳四朗(BMB)に挑戦して以来のタイトルアタックとなった。
先手を取ったのはサウスポーの加納。体をよく振ってポジションをずらしながら右フック、左ボディストレート、パンチを散らしてオラスクアガに迫った。オラスクアガも反応、距離を詰めると、左右のボディ、アッパーを突き上げて加納を下がらせる。パワーはオラスクアガが上だ。
加納は2回、果敢に左ストレートで迫るが、オラスクアガが左右のアッパーを突き上げていく。加納は下がらずに手を出し、試合は熱を帯びていった。
3回はオラスクアガが仕掛けたが、加納がよくしのいで反撃、左ストレート、右フックを決めて流れを引き寄せにかかる。と思った矢先、オラスクアガが右フックから左アッパーをフック気味に振り上げると、これが加納のアゴに炸裂、倒れた加納は立ち上がれなかった。
25歳のオラスクアガは7勝5KO1敗。「夢がなかった。最初から激しくいこうと思っていた。加納は素晴らしい選手。2人でいいショーを見せられたと思う」と語った。いいシーンも作ったが及ばなかった加納は17勝8KO4敗1分。
◇S・ミドル級6回戦
荒本一成(帝拳)[TKO6回1分9秒]ムングンツォージ・ナンディンエルデン(モンゴル)
高校で8冠、大学で4冠を獲得した荒本のデビュー戦。ナンディンエルはガードを下げたり、スイッチしたり、なかなかクセのあるスタイル。荒本はジャブと左ボディを軸に曲者を攻略しにかかった。
ナンティンエルはクリンチ際にラビット気味のパンチを打ったり、頭を価値上げたり、荒っぽい。左ボディをていねいに打っていた荒本のペースが乱れていく。4回、荒本は左フックでチャンスを作り、畳みかけるもののナンディンエルがこのピンチをしのぐ。
5回、生き返ったナンディンエルは頭をつけるスタイルで荒本に迫る。荒本の左ボディがローブローとなり1分間の休憩。荒本は最終回、左フックでダメージを与えると、最後は左フック一撃で曲者を沈めた。韓国を拠点とする37歳、ナンディンエルは2勝2KO2敗1分。
荒本は「相手のファイトにつき合ってしまった。いろいろな勉強になった。最悪の出来だったけど、またこの場所に戻ってきたい」と前を向いた。