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21日昼、福岡県のホテルクラウンパレス北九州・ダイヤモンドホールで行われたボクシング興行「2024年度 西部日本新人王決定戦 feat. BOXING FIGHT Vol.14」で、新人王戦9試合を含む全12試合が開催され、メインのS・ウェルター級8回戦は、日本同級8位の畑上昌輝(折尾)とパーサゴン・ヤッカラー(タイ)が対戦。畑上が2度のダウンを奪って3回1分56秒TKO勝ちをおさめ、王者に猛アピールした。《西村華江》
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初回、「相手を観察するというより、自分の状態を確認していた」という畑上は、終盤に放った右ボディストレート以外、すべて前の手のみで牽制していった。リングを大きく使いながらフェイントを入れて間を作ったり、緩急をつけながら左を速射したりしてパーサゴンに揺さぶりをかけるのだが、パンチを当てることはしない。焦れるタイ人は、ワンツー、右ストレートを積極的に放つも、上体を柔軟に使う畑上からヒットを奪うことは叶わない。
2回、距離を掴んだ畑上は徐々に左ジャブをヒットさせ、右を上下に散らし左ボディへと繋げて攻撃を強める。対するパーサゴンは畑上の左に合わせて右クロスを狙い、ワンツー右ストレートやオーバーハンドライトを使いわけ、意欲的な攻撃で対抗してみせた。
が3回、緩急を使った攻めを見せる畑上が、ゆったりした動きから一転、スピーディな連打から放った左ストレートで、ダウンを奪う。立ち上がったパーサゴンは、伸びやかな左ジャブを軸に突進。対して、畑上は冷静にタイ人をコーナーに呼び込むと、突っ込んでくるパーサゴンの右に合わせた左フックのカウンターを一閃。パーサゴンは、白目をむきながらバタリとキャンバスに倒れ込んだ。
前戦に続きKO勝利をおさめ「チャンピオンの出田裕一選手(三迫)と対戦したいです。させて下さい!」とリング上で明言した畑上は、9勝4KO4敗1分。「もっと強くなって、また日本で戦いたい」と語った20歳のパーサゴンは、6勝4KO2敗。
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◇65.0kg契約6回戦
寺田龍覇(白銀)[3-0(59-55×2、60-54)]パッドヨッド・キアットチャルンシリ(タイ)
アマキャリアを持つパッドヨッドは軽快にリングを動き回り、軽いながらも早い連打からキレのある右を上手くヒットさせていく。最初は戸惑いを見せたサウスポー寺田だったが、左ボディストレートを起点に攻撃を強めていった。中盤以降は、深く踏み込んで左右連打でタイ人を追い込み、左フック、アッパー、ワンツーの左ストレートを要所でヒットし着実にポイントをピックアップ。移籍後初の試合となった寺田が、見事な勝利をおさめた。
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また、2024年度西部日本新人王決定戦では9試合が行われ、11階級の代表が決まった。最優秀選手には右ストレートからの左フックで2度のダウンを奪い1回TKO勝ちしたライトフライ級、17歳の金城寿幸(沖縄ワールドリング)。技能賞は初回にダウンを喫するも4回にダウンを奪い返し逆転勝利したフライ級、砂川朝都夢(あとむ・琉豊ボクシングススタジオ)。敢闘賞は負傷判定引分となったが、猛烈な攻撃でダウンを奪って代表権を掴んだライト級、堤啓至(FUKUOKA)が受賞した。
西部日本代表は10月14日に大分県の中津体育センターで、西日本代表との西軍代表決定戦への座をかけて中日本代表と戦う。
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◇ミニマム級
ルキア平野(北島)[TKO2回2分10秒]大塚友斗(ビッグアーム)
※6月1日に代表権獲得
◇ライトフライ級4回戦(西部日本新人王決定戦)
金城寿幸(沖縄ワールドリング)[TKO1回2分2秒]﨑山卓(折尾)
◇フライ級5回戦(西部日本新人王決定戦)
砂川朝都夢(琉豊ボクシングスタジオ)[2-1(47-46×2、46-47)]吉田拓也(折尾)
◇S・フライ級4回戦(西部日本新人王決定戦)
小山珠煕斗(J中津)[1-0(39-37 38-38×2)]福嶋晃志(鹿児島)
◇バンタム級4回戦(西部日本新人王決定戦)
坂下龍之介(ウエスタン延岡)[3-0(40-35×3)]向井光(ビッグアーム)
◇S・バンタム級4回戦(西部日本新人王決定戦)
竹山然(橋口)[3-0 (40-36 39-37×2)]金城隆太(沖縄ワールドリング)
◇フェザー級4回戦(西部日本新人王決定戦)
佐藤成貴(ビッグアーム)[3-0(40-36×2 39-37)]大塚鐘平(北島)
◇S・フェザー級4回戦(西部日本新人王決定戦)
樋口丈留(北島)[不戦]小宮山 太地(HKスポーツ)
※小宮山の棄権により樋口が西部日本地区代表
◇ライト級4回戦(西部日本新人王決定戦)
堤啓至(FUKUOKA)[負傷引き分け1回2分34秒]翁長健太(琉豊ボクシングスタジオ)
※翁長の右目上負傷(偶然のバッティング)により続行不能。負傷判定引分だが、規定により続行不能となった翁長が敗者扱いとなり、堤が西部日本地区代表
◇S・ライト級4回戦(西部日本新人王決定戦)
中島大智(北島)[3-0(40-36×3)]安藤謙(FUKUOKA)
◇ウェルター級4回戦(西部日本新人王決定戦)
本村康(ミサイル工藤)[TKO1回28秒]山下兼冬(ウエスタン延岡)
観衆=600人