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アマチュアボクシングの統括団体日本ボクシング連盟(仲間達也会長)が昨年設立された新団体ワールド・ボクシング(WB)への加盟に向けて準備を進めている。18日仲間会長ら幹部が都内で記者会見を開き明らかにしたもの。
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日本も加盟するアマチュアの世界団体IBA(国際ボクシング協会)はオリンピックを主催するIOCと長く対立状態にあり、IF(国際競技団体)としての承認を取り消されている。このためIBAは東京五輪、パリ五輪とも関与を認められなかった。このままだと次のロサンゼルス五輪でボクシングが五輪競技から除外される可能性もあるという。
WBはIBAを脱退した米国や英仏独伊などが中心になって昨年設立され、IBAに代わってIOCに認められた国際競技団体を目指している。スイスに本部を置き、パリ五輪後には台湾ら5ヵ国が新たに加盟して現在トータル42ヵ国が加盟している。
仲間会長は今月初旬に五輪開催中のパリに飛び、WBのボリス・ファンデルホルスト会長ら関係者と会談し加盟の方針を説明したという。WBに協力する目的は「オリンピック競技からボクシングが除外されないようにするため」(仲間会長)だが、IBAからの脱退は考えておらず、このまま重複して加盟を続けるのが理想のようだ。「(重複は)ずるいかもしれませんが、一番は選手に活躍の場を失わさせないことですから」と仲間会長は説明し、そのために日本連盟としてもうまく立ち回りたいとしている。
五輪も(IBA主催の)世界選手権も出たいという選手のニーズに沿っての重複加盟はどこまでうまく行くのか。今後WBの新規加盟が急増する可能性もあるが、IBAも 旧ソ連から独立したロシアらの国々が政治力を維持しており、分断がさらに深まる懸念もある。