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9月3日、井上戦と同じ有明アリーナで行われるWBO世界バンタム級タイトル戦。元K-1世界王者からボクシングに転向し、5月にプロ9戦目で世界タイトルを手にした武居由樹(大橋)が、初防衛戦で元WBC世界フライ級王者(現WBO1位)の比嘉大吾(志成)の挑戦を受ける。
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両者は試合が決まるまで一緒に練習することも多かった。武居は比嘉のトレーナー、野木丈司氏が主導する朝のトレーニングに一緒に参加していた、言わば「練習仲間」でもある。武居は年上の比嘉を「さん」づけで呼び、比嘉はチャンピオンを「武居君」と呼んでいた。
しかし試合ではともに勝負に徹する覚悟ができており、「あのニコニコには騙されない」とチャンピオン。試合の抱負を聞かれると、武居が「自分の当てたいパンチをズバッと当てて、大吾さんには倒れてもらいます」と言えば、比嘉も「倒す練習しかしてこなかった」と応じていた。
9戦全勝8KOの武居に対して、21勝19KO(2敗1分)の比嘉。ともに90%前後のKO率を誇る両者の戦いが判定まで行く可能性はきわめて低いーー。
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この会見には、前座で重要な一戦に臨む選手たちも同席し、それぞれ勝利宣言した。
WBA世界S・ライト級挑戦者決定戦で暫定王者イスマエル・バロッソ(ベネズエラ)と対戦する平岡アンディ(大橋)は、「(相手は)素晴らしい選手ですが、自分が勝って次につなげたい」。
また「日本人史上初の世界ウェルター級王者になる男」と自己紹介した佐々木尽(八王子中屋)は、OPBFとWBOアジアパシフィックの2本のベルトを懸けてカミル・バラ(豪州)相手の防衛戦。井上尚弥と同じリングで戦う気持ちを聞かれて「この舞台に出れてうれしい。対戦して負ける気がしない、勝ちます」とアピールしていた。対するバラは「観ていて楽しい試合をしたい。世界のスーパースター、井上尚弥と同じリングで試合をするのを楽しみにしている」と口にしていた。