
3日、東京・有明アリーナの第1試合で行われた日本S・バンタム級タイトルマッチは、チャンピオン下町俊貴(グリーンツダ)が挑戦者3位の津川龍也(ミツキ)に10回3-0判定勝ち。タイトル3度目の防衛に成功した。スコアは97-92に96-93が2者の3-0。

長身サウスポーの王者下町がじりじりと津川をプレスするかたちで試合はスタート。対する津川は間合いをとりつつ、すばやく右を射出する。初回これが下町をとらえたが、下町も左ストレートを打ち抜いて挑戦者を波に乗せない。
関西の好選手同士の一戦は、激しいペース争いが続いた。5回終了後のスコアはジャッジ全員が49-46でチャンピオンのリードとしたが、これを知った6回の津川は攻勢を強める。下町も表情を変えず左ストレート、右フックで攻め返して優位を保つ。
しかし津川のアタックがそこを突破した。8回、激しいパンチの交錯の直後、津川の左フックから右ストレートがさく裂。つなぎの速いワンツーに追いつけず被弾した下町がダウンした。下町は大ピンチだったが、右フックの応戦とボディワークで津川の追撃をしのいだ。
回復した下町は脚とカウンターで組み立て直し、終盤はそれ以上の危機を招かなかったが、津川との攻防は最後までスリルたっぷりだった。
8回に喫したダウンについて下町は「やっちゃったな、という感じです」。試合後は反省しきりだった。これで戦績は19勝12KO1敗3分。日本王座初挑戦に失敗した津川は13勝9KO2敗。