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日本プロボクシング協会の小林昭司会長らボクシング関係者が3日、東京高検を訪れ、再審無罪判決が言い渡された元プロボクサー、袴田巌さんの裁判について控訴しないよう申し入れた。
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強盗殺人などの罪で死刑判決を受けた袴田さんは半世紀以上にわたり無罪を訴え続け先月26日、事件から58年、88歳にしてついに再審無罪判決を勝ち取った。しかし、判決で「証拠品はねつ造」と厳しく断罪された検察が控訴するとまだ裁判が続く。ボクシング界はこれを断固阻止するため、検察に控訴しないよう要望書を提出した。
この日は小林協会長をはじめ、元世界王者の飯田覚士さん、佐藤修さん、坂田健史さん、時代を築いた坂本博之さん、高橋直人さんら総勢30人あまりが集結。検察庁の前で潔白を意味する白いバンデージを巻いた拳を突き上げた。要請活動後には司法記者クラブで記者会見を開いた。
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要請書は「一刻も早く試合終了のゴングが打ち鳴らされ、袴田さんの損なわれ続けた名誉が回復されることを心から願う」と“試合終了”を求めた。
袴田さんの判決をめぐっては、超党派の議員連盟のメンバーが2日、法務省に対して検察が控訴した場合は法相の指揮権で控訴を取り下げるよう求める要望書を提出した。控訴の期限は10日中となっている。