元WBA世界S・フライ級チャンピオンの36歳、河野公平(ワタナベ)が29日、都内のジムで記者会見を開き、現役続行を表明。夏に復帰戦を行い、10月7日に香港でWBO同級1位の地元スター、レックス・ツォと対戦すると発表した。
昨年9月にWBA王座を失った河野は12月30日、WBO同級王者の井上尚弥(大橋)に挑戦して6回TKO負け。ボクシング人生をかけて井上に挑んだだけに、精神的なショックを2か月ほど引きずった。
ツォとの試合は「かみ合うと思う」
世界タイトル戦2連敗の河野に対し、引退を勧める声もある中、熟慮の末に「ボクシングをやっていなければ血管が沸騰するような興奮は得られない」と現役続行を決意。来月に第一子が生まれることも気持ちを後押ししたが、本人が「レックスとの話がなかったら辞めていた」と語るように、決定打は香港からのオファーだった。
ツォは地元の人気選手で、3月に向井寛史(六島)と対戦したときは香港コンベンションセンターが8000人の超満員。この試合を映像で見た河野は「世界戦並みの盛り上がりで、完全アウェイというのもゾクゾクする。手数が多く、気持ちの強い選手で、かみ合うと思う」と早くも試合をイメージした。
夏に復帰戦、田口のアンダーに出場か
試合にツォの持つWBOアジアパシフィック王座などがかけられるかは今のところ不明。渡辺均会長によると、WBOの挑戦者決定戦に認定される可能性もあるという。
復帰戦は夏に予定されている同門のWBA世界L・フライ級王者、田口良一の防衛戦に組み込まれる見込み。試合直後からロードワークを始めていたという河野は数日前から実戦練習も始めている。