WBOアジアパシフィック・フェザー級タイトルマッチが12日、後楽園ホールの「ダイヤモンドグローブ」で行われ、WBOアジアパシフィック同級5位の木村吉光(白井・具志堅S)は王者リチャード・プミクピック(比)に0-3判定負け。プミクピックは初防衛に成功した。
2016年の全日本新人王、木村はタイトル初挑戦でこれまで最長で6ラウンドの経験しかない。昨年9月、元日本、OPBF王者の天笠尚との王座決定戦を制したWBO世界12位のプミクピックは初防衛戦のリングとなった。
プミクピックはスタートから荒っぽいワンツー、左フックで木村に襲い掛かった。頭もぶつけられて押され気味の木村もラウンド終盤、右ストレートを打ち込んで反撃した。
木村は2回以降、距離を取るのか、距離を詰めるのかはっきりせず、ピッチが上がらない。プミクピックをロープに押し込んでボディを決めるシーンを何度も作るものの、ペースを引き寄せられず、気が付けば中間距離で王者の右を浴びてしまう。5回はプミクピックが立て続けにワンツーを打ち込み、木村にダメージを与えた。
ここからはイーブンな展開となったが、8回はプミクピックがロープ際で体を入れ替え、木村の顔面に立て続けにパンチを決めた。終盤は劣勢の木村が前に出たものの、形勢逆転とはならなかった。スコアは116-112×2、115-113。プミクピックは21勝6KO8敗2分。木村は9勝4KO1敗。
“警察官ボクサー”杉田ダイスケが白星デビュー
◇S・バンタム級6回戦
杉田ダイスケ(ワタナベ)[3-0(60-55、60-54×2)]ジュン・ブラゾ(比)
警視庁玉川署地域課の交番に勤務する杉田のプロデビュー戦。ブラゾは日本で4敗しているが、3試合は判定負けで、唯一KO負けした江藤光喜(白井・具志堅S)戦ではダウンを奪っている。デビュー戦の相手にしては強敵だった。
現職の警察官という異色の経歴を持つ杉田はブラックとホワイトの“パトカーカラー”、腰に「POLICE」と横書きしたトランクスで登場。初回からジャブを突き、右もよくかぶせて優位に立った。足もよく動かして、最後まで被弾も少なく勝利した。
アマチュアでは110勝を挙げ、全日本社会人選手権で優勝するなどした杉田は「警察官になることと、プロボクサーになることが夢だった」とデビュー戦のリングに満足そう。今後は「何らかのベルトを巻きたい」と目標を口にした。
◇ミドル級6回戦
加藤収二(中野サイトウ)[3-0(58-56、59-56、59-55)]阪田壮亮(本多)