20日大田区総合体育館のダブル世界タイトルマッチで、2度目の防衛戦を行うIBF世界ミニマム級チャンピオンの京口紘人(ワタナベ)が15日、東京・五反田のジムで練習を公開、メディアのインタビューに応じた。
挑戦者ビンス・パラス(比)との一戦に向けて120ラウンドのスパーリングをこなしてきた京口。19歳のチャレンジャーは13勝11KO無敗と勢いがあるが、迎え撃つ王者はパラス対策よりも、全体的なレベルアップに重点を置いて調整を重ねてきたという。
かねて軽量級らしからぬ豪快なファイトを公言している京口(9勝7KO無敗)は、今回も当然のようにKOを狙う。昨年大みそかのカルロス・ブイトラゴ(ニカラグア)戦は8回TKO勝ちながら「後半に強弱をつけられなかった」と反省点を残した。
今回はそれを踏まえて練習を重ねてきており、「右の精度が上がってきた」と手ごたえは十分。「理想は4回か5回くらいに倒したい」と涼しい顔でKO宣言をしてみせた。
パラスが好戦的な選手であることも、KO決着の期待を高めている。井上孝志トレーナーは「パンチがあって、左ボディブローが強い。そこは京口に似ていて、ボディパンチャー同士の戦い。僕もドキドキしている」と分析。京口も「相手も攻めてくると思うのでスキはある。カウンターを当てたい」というから、連続KO防衛の可能性は十分にありそうだ。
京口は16年4月のプロデビューから1年あまりで世界王者まで上り詰め、すでに2度目の防衛戦を迎えた。ただし「僕が子どものころに思った世界チャンピオンというイメージとはかなり違いますね」という本音もこぼれる。
世界チャンピオンになってもかつてほどの注目度は集められないというのが昨今のボクシング事情であり、今回の京口の世界戦も、L・フライ級2団体王者の田口良一(ワタナベ)の試合が早く終わらなければテレビの中継はない。
今後、連続防衛記録、複数階級制覇と実績を残し、幼いころにイメージした世界チャンピオン像に近づくためにも、ここはきっちり勝ってステップアップの足固めをしたいところだ。