16日後楽園ホールのIBF世界S・バンタム級タイトルマッチで、王者の岩佐亮佑(セレス)に挑戦するTJ・ドヘニー(アイルランド)が10日、都内の帝拳ジムで練習を公開した。
7歳でボクシングを始めたというドヘニーはアイルランドで6度国内王者になるなどトップアマとして活躍したのち、休暇で訪れたオーストラリアを気に入り、移住したのちの12年にプロデビューした。
その後「オーストラリアには私のような小さな選手が少ない」との理由で、2年前から米在住のヘクター・ベルムデス・トレーナーとコンビを結成。今回もオーストラリアに妻と1歳の娘を残し、ボストンで3ヵ月のトレーニングを積んで来日した。
記者会見でドヘニーは具体的な戦術や技術についての言及は避けながら、「世界チャンピオンになることが人生にとっての最終ゴール。だれにも邪魔はさせない」とこの一戦にかける熱い気持ちを口にした。
一方、ベルムデス・トレーナーは岩佐の二つ前の王者ジョナタン・グスマン(ドミニカ共和国)のトレーナーでもあり、16年大みそかに来日して小國以載(角海老宝石)にタイトルを奪われた。同トレーナーは「小國にとられたベルトを取り戻す」とこちらは“リベンジ”の気持ちもあるようだ。
岩佐の参謀、セレスジムの小林昭二会長は19勝14KO無敗で“ザ・パワー”のニックネームを持つドヘニーのミット打ちとバッグ打ちを注意深く視察した。
小林会長は「もう少し大振りかと思ったけどパンチがコンパクト。左のパンチはモーションが少なく見えずらいと思う。もうちょっと馬力があるかと思ったけど、まとめて倒すタイプじゃないですかね」と挑戦者を分析した。
その上で「距離を詰めてくるタイプだからみなさんが思っているような試合になると思う」と語り、遠い距離は岩佐、近い距離はドヘニーという見方を示した。