WBC世界バンタム級指名挑戦者決定12回戦の計量が10日、日本ボクシングコミッションで行われ、同級3位のマーク・ジョン・ヤップ(六島)と同9位の井上拓真(大橋)はともにリミットの53.5キロであすの試合に進んだ。試合はあす11日、後楽園ホールでゴングとなる。
拓真は16年12月に一度は決まったWBO王座挑戦を自らのけがでキャンセル。その1年9ヵ月後にめぐってきたチャンスはWBCの挑戦者決定戦という形になったが、拓真は髪にWBCの緑のラインを入れ、まずは髪の毛から試合への意気込みを表現した。
この試合に向けてはフィリピンから呼んだパートナーや、世界ランカーのゼネシス・カシミ・セルバニア(カシミ)らとスパーリングを重ねた。プロ12戦目(11勝3KO無敗)で世界挑戦に王手をかけた拓真は「ポイントは距離。KOをしっかり狙っていきたい」と力強くコメントした。
フィリピン出身のヤップ(29勝14KO11敗)は14年に六島ジム入りしてから急成長。以前は噛ませ犬的な存在で来日していたボクサーはOPBFチャンピオンとなり、WBC3位にランクされるまでに成長した。
母国で1ヵ月のトレーニングキャンプを積み、スタミナとディフェンスを磨いてきたというヤップは「私はナオヤ(井上尚弥)と同じように賢いボクシングをする。ノックアウトを狙っていく」と断言。フィリピンのたたき上げがホープ撃破で挑戦権と知名度を一気にゲットするつもりだ。
空位のWBCバンタム級 ウーバーリとウォーレンで決定戦
なお、3月のルイス・ネリ(メキシコ)の計量失格による王座はく奪以降、空位が続いているWBCバンタム級王座は、最近になって1位ノルディ・ウーバーリ(仏)と4位ルーシー・ウォーレン(米)による王座決定戦が決定。
大橋秀行会長によると、この試合の勝者は2位ペッチ・ソーチッパッタナ(タイ)との試合が義務付けられ、その勝者にヤップと拓真の勝者が挑戦する権利を得る。
セミでは日本ユースS・ライト級王者(日本同級9位)の平岡アンディ(大橋)が吉開右京(島袋)と防衛戦を行う。また、セミセミには3月の世界初挑戦に失敗した松本亮(大橋)が登場。アマ出身の佐川遼(三迫)とのフェザー級8回戦に臨む。