WBA女子フライ級タイトルマッチが14日、後楽園ホールで行われ、チャンピオンの藤岡奈穂子(竹原&畑山)が暫定王者イルマ・サンチェス(メキシコ)に3-0判定勝ち。王座を統一するとともに初防衛に成功した。
昨年12月に男女を通じて日本選手初の5階級制覇を達成した藤岡が昨年3月に獲得したWBAフライ級王座の初防衛戦。挑戦者にはキャリアが豊富で元IBF・L・フライ級王座などの獲得経験のあるサンチェスを迎えた。
クイックネスで上回る藤岡は初回から鋭く踏み込み、右ストレート、左フックをサンチェスに打ち込んでいく。2回には左のダブル、ボディブローとさらに攻撃のピッチをあげていった。3回には右を決めて最初の見せ場を作った。
しかし、体格で上回るサンチェスは藤岡の動きに対応できないものの、パンチをもらってもひるまない。打たれたら打ち返す気の強さと打たれ強さがあった。
藤岡は試合をコントロールし、上だけでなくボディも意識して攻め続けたが、中盤に入ってもサンチェスはなかなか失速しない。藤岡は8回に再度エンジンをふかし、9、10回と攻めてゴールテープを切った。スコアはフルマークの100-90×3だった。
藤岡は18勝7KO2敗。「きょうは1ラウンドから倒すつもりでいったけど、倒せなくてすいません。相手は打たれ強くて、いま拳が痛いです。次はもっと大きい舞台でみなさんの前に立ちたい」とリング上で語った。ガッツは見せたサンチェスは30勝8KO8敗1分。
◇58.5キロ8回戦
荒谷龍人(KG大和)[TKO7回1分20秒]本吉豊(Reason)
リーチで上回る日本フェザー級10位の荒谷がジャブを軸にして内から外から右を打ち込み、本吉を崩しにかかる。ディフェンス重視でチャンスをうかがっていた本吉は4回、右から左フックを決めて荒谷をグラつかせるチャンス。さらに右で追撃したが、荒谷は距離を詰めてピンチをしのいだ。
荒谷は5回以降、頭をつけてボディを打ち込むスタイルにシフトして本吉を削っていった。迎えた7回、右カウンターを決めたところでストップ。連敗を3で止めた荒谷は12勝4KO7敗1分。4連敗の本吉は7勝5KO13敗。
◇フェザー級8回戦
入口裕貴(エスペランサ)[2-0(78-75、77-76、76-76)]中嶋孝文(一力)
入口は昨年12月、日本ユースS・級王座戦で水野拓哉(松田)に敗退。4月にクラスを下げて日本ユース・バンタム級王座に挑戦するはずが、自らの計量失格で試合は中止となった。クラスを上げた今回の試合は、日本S・バンタム級16位のベテラン中嶋が相手だった。
試合は入口がワンツー、ボディ、アッパーで荒々しく攻め攻め、中嶋が右や左ボディでこれを迎え撃つ展開。4回に中嶋が攻めて出たところに入口の左フックが炸裂、中嶋はダメージを負ったが、ここから打ち返して持ち直す。前半戦は体格で勝る入口の勢いと積極性が功を奏した印象だ。
後半に入ると入口が少しずつペースダウンし、右を効果的に当てる中嶋優勢の時間帯が増えた。しかし、入口も足を使うなどして試合を組み立て、なんとか逃げ切りに成功した。入口は9勝4KO2敗1分。中嶋は4月のOPBFバンタム級王者マーク・ジョン・ヤップ(六島)挑戦失敗に続いて連敗。29勝13KO11敗1分となった。
◇S・バンタム級8回戦
中野敬太(KG大和)[TKO2回27秒]嶋崎俊(輪島功一S)
3連敗中の元日本ランカー中野が初回終盤、右ストレートを効かせ、追撃の右で嶋崎をキャンバスに転がした。中野は2回に一気に勝負を仕掛け、右から返しの左フックを嶋崎を再びキャンバス送りに。ノーカウントでストップとなった。中野は15勝5KO13敗6分。嶋崎は3連続KO負けで8勝3KO11敗1分。
◇フライ級6回戦
戸髙達(レパード玉熊)[2-0(58-56、59-55、57-57)]渡久地辰優(一力)
◇ウェルター級6回戦
安藤暢文(高崎)[負傷判定4回48秒3-0(39-38、40-37×2)]入江翔太(KG大和)