WBO世界フライ級タイトルマッチが24日、名古屋市の武田テバオーシャンアリーナで行われ、指名挑戦者の田中恒成(畑中)が王者の木村翔(青木)に2-0判定勝ち。世界最速タイとなる12戦目での3階級制覇を達成した。木村は3度目の防衛に失敗。スコアは115-113、116-112、114-114。
注目の日本人対決は初回から白熱した。アグレッシブだったのは田中。距離を取らずにワンツー、左ボディをグイグイ打ち込んでいった。木村もいつものようにガードを固めてコンビネーションを打ち込み、試合は初回にしてヒートアップした。
田中は木村にパワー負けせず、パンチスピードの速さで木村を上回った。木村は2回ペースを上げて、右フック、左ボディで田中を下がらせるが、打ち合いの中で田中の左フックが炸裂。木村がグラリとダメージを負った。さらに田中は強烈な左ボディアッパーも決めて畳みかける。木村はこれを何とかしのいだものの、ダメージを心配させた。
勢いに乗る田中は3回以降、機動力も生かしながら、ワンツー、左フック、ボディとさまざままコンビネーションを打ち込んでいき、木村の右目がみるみるうちに腫れていく。木村もボディ打ち、アッパーも駆使して追い上げ、田中の顔も腫れていった。
しかし、田中は後半に入るとフットワークを使ったり、サイドに動いたり、距離を詰めて打ち合ったりと自在なボクシングでペースメイク。木村は疲れも見えてきたが、タフネスぶりを発揮して田中に襲い掛かり、左ボディ、左フックをヒットして食い下がった。
最終12回は両者が頭をつけて打撃戦を展開。最後の力を振り絞って打ち合い、終了のゴングを聞いた。「弱気になったら負けると思った」と攻め気を貫いた田中は12勝7KO無敗。木村は17勝10KO2敗2分。