プロの元世界チャンピオンで東京オリンピックを目指してアマチュア登録を希望している高山勝成(35)と日本ボクシング連盟の菊池浩吉副会長らが16日、都内で記者会見を開き、高山のアマチュア資格が正式に認められることになったと報告した。
会見した高山は「いますごく興奮している。同時にこれからが本当の勝負だという強い気持ちになっている。厳しい戦いになるが自分を信じてやっていきたい」と決意を述べた。
高山は15日から1週間の日程で、ケビン山﨑氏が主宰するジム「トータルワークアウト」で「体のキレを取り戻す」トレーニングに励む。アマチュアのリングに上がるのは来春の見込みで、フライ級で各種大会の都道府県予選から出場することになる。
高山は昨年4月、プロボクシングの引退届けを提出し、名古屋産業大に入学後、東京オリンピック挑戦を表明。連盟にアマチュア登録を申請しようとたが、山根明会長を中心とする前体制はこれを拒否。高山が日本スポーツ仲裁機構にスポーツ調停申し立てをしたが、連盟はこれも相手にしなかった。
しかし、一連の不祥事で山根会長が辞任に追い込まれ、新会長に就任した内田貞伸氏がプロとの関係改善を打ち出したことで状況が一変。今月9日の資格審査委員会に高山が出席し、アマチュア登録が認められた。
高山のアマ資格取得により、国内のほかのプロ選手が東京五輪を目指すことができるかどうかは気になるところ。国際ボクシング協会は16年のリオデジャネイロ五輪から、プロの出場を認めているからだ。
プロ選手からの問い合わせが4、5件
この件に関しては、弁護士の戸田裕典・資格審査委員長が「(現役、OB含めて)プロ選手のどこまで認めるかは、理事会でも意見が分かれている。現時点ではこの要件を満たせばいい、というものはない」と回答。既にプロを引退している高山は「アマチュアのことを深く理解し、ステップを踏んだ」(戸田委員長)との理由もあり、あくまで特例だという。
菊地副会長によると、現役のプロボクサー、総合格闘技やキックボクシングの選手ら計4、5人から問い合わせがあったとのこと。現在のアマチュア規則ではプロ選手のアマ資格取得は認めておらず、規則の変更を含めて今後話し合いを進めていくという。