日本ボクシングコミッションは10日、昨年12月のIBF世界S・フェザー級決定戦後にドーピング違反が発覚し、1年間のライセンス停止処分となった尾川堅一(帝拳)の停止期間が10日に終了したと発表した。
この日、ジムでトレーニングをした尾川は「こうして晴れて復帰できることをうれしく思います。この時間で成長した部分、反省した部分をこれから示していきたいと思います」と現在の心境を語った。
尾川は昨年12月9日の王座決定戦でテビン・ファーマー(米)に判定勝ちして王座を獲得。年が明けてから、この試合4日前のドーピング検査で違反薬物が検出されたことが明らかになった。
その後の調査をへて、ネバダ州コミッションは試合をノーコンテストとし、6ヵ月の資格停止処分を決定。王座獲得の事実は消滅した。JBCはこれとは別に試合から1年間の資格停止処分を下した。
ドーピング違反発覚後、尾川は謹慎し、ネバダ州の処分が明けるまでの期間は、自宅や近所の公園など限られた場所で練習を重ねた。
ボクシングの練習を半年間できなかったが、6月以降は「実践練習も重ねてきて、先日も浜田代表からパンチのキレは衰えていない、という言葉をもらって安心した部分はあります。いまはいつでも試合ができる状態をつくっていますし、体重も絞れています」とコメント。カムバックに向けてしっかり準備を進めている。
復帰戦は確定していないが、遅くとも来春までには組まれる見通し。尾川は「(お世話になった人たちに)恩返しじゃないけどもう一度っていう気持ちです。自分の中でも世界チャンピオンにならないと意味がない。そしてラスベガスの舞台にももう一度上がりたい、あの風景は絶対にもう一度みたいです」と言葉に力を込めた。