30日に大田区総合体育館でゴングとなるトリプル世界タイトルマッチのメインイベントで、WBO世界S・ウェザー級王者の伊藤雅雪(伴流)に挑戦する指名挑戦者エフゲニー・チュプラコフ(ロシア)が25日、都内の帝拳ジムで練習を公開した。
初来日の挑戦者は11月30日、妻ヴィクトリアさんとの間に第一子、長女のアリサちゃんが誕生。本人は2カ月のロサンゼルス合宿のさなかで、直接日本に入ったため「まだ娘に会っていない」というが、「心も体も万全」というように最高のモチベーションで日本に乗り込んだ。
インタビューでは、自身のボクシングスタイルや、伊藤に関する質問に「スピードがある」という程度しか口にしなかったが、それも“本気”の現われか。チュプラコフもこの試合にかけるだけのキャリアを積んできた。
6歳でボクシングをはじめ、アマチュアでおよそ150戦120勝。本人は「私はロシアのファイター。戦闘的な試合をする」と口にしたが、よく動き回り的を絞りにくいボクシングが身上だ。
ポポフ・トレーナー(右)は「ロシアの美しいボクシングを見せる」
プロ入り後は何度もアメリカにわたってロシアンスタイルにアメリカの技術をブレンドした。殿堂入りトレーナー、フレディ・ローチ師事し、マニー・パキャオやアミール・カーンのスパーリングパートナーを務め「アメリカには世界中の流儀、技術が入ってくる大きな経験になった」と胸を張る。
この日は軽めの動きで手の内を見せず、分かったのは伊藤よりもかなり小柄であると言うことだけ。練習を視察した岡辺大介トレーナーは「何も分からない」と前置きしながら「ジャブが当たりそうな感じはしました。先に先に叩くことですね」とコメントした。