日本チャンピオンと最強挑戦者がぶつかるチャンピオンカーニバルは今年で第40回を迎えた。タイトルが増える昨今において、唯一の日本王者を決める日本タイトルの価値は高く、より多くのファンに注目してほしいところだ。
今年のカーニバルは1月12日、後楽園ホールのミニマム級とS・バンタム級のダブルタイトルマッチで戦いの火ぶたが切って落とされる。ホープの登場やベテラン対決など見どころは盛りだくさん。まずは1、2月の試合を紹介しよう。
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ミニマム級の挑戦者・田中(左)と王者・小野
■1月12日(後楽園ホール)
◇ミニマム級
王者・小野心(ワタナベ=23勝6KO9敗3分)
挑戦者・田中教仁(三迫=17勝9KO7敗)
2度の世界挑戦経験を持つ35歳のベテラン小野は昨年4月、4度目の日本タイトル戦で悲願の王座を獲得。8月の初防衛戦ではホープ加納陸(大成)をTKOで退け、存在感を大いにアピールした。
対する33歳の田中は17年2月、5年のブランクをへて復帰。11年の八重樫東(大橋)以来、実に7年ぶりとなる日本タイトル戦にこぎつけた。
田中は復帰後の試合でKO勝ち、もしくはダウンを奪うシーンが多く、機動力が持ち味の小野はまったく油断できない。起伏の激しいキャリアという共通点を持つベテラン同士が、生き残りをかけて激突する。
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S・バンタム級王座を争う中川(左)と田村
◇S・バンタム級王座決定戦
1位・中川麦茶(角海老宝石=24勝14KO5敗1分)
2位・田村亮一(JBS=11勝6KO3敗1分)
前王者の和氣慎吾(FLARE山上)が世界挑戦の準備のためタイトルを返上。最強挑戦者決定戦を勝ち上がった中川と、上位ランカーの田村による王座決定戦となった。
中川は31戦目にして初の日本タイトルマッチ。田村は17年7月、久我勇作(ワタナベ)に敗れて以来、2度目の日本タイトル戦だ。長身の中川は射程の長いジャブが主武器でアッパーもうまい。心身ともにタフな田村は打ち合いでより力を発揮する。
タイプの異なる両者だけに、先にペースをつかんだほうが一気に勝負を決める可能性もある。世界を狙う日本人選手の多い階級でることも頭に入れておきたい。
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中谷(左)と望月が20代前半の若手対決
■2月2日(後楽園ホール)
◇フライ級王座決定戦
1位・中谷潤人(M.T=17勝12KO)
2位・望月直樹(横浜光=15勝8KO3敗)
デビューから17連勝の21歳、中谷は将来を嘱望されるサウスポーで、今年のカーニバル最注目の選手と言っても過言ではない。すでにWBC4位、WBO10位と世界ランク入りしているが、まずは日本タイトルを標的とした。
当初は王者の黒田雅之(川崎新田)に挑戦予定だったが、黒田がIBF指名挑戦権を獲得して王座を返上。決定戦の相手は24歳の望月となった。
上背とフットワークのある中谷は距離のコントロールが抜群にうまく、容易に相手を中には入れさせない。加えて最近はインファイトもこなすようになり、着実に成長を遂げている。好戦的で気の強さがリング上から伝わってくる望月が、どの中谷を攻略しようとするのかに注目だ。
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ベテランの堀川(左)と初タイトル戦の戸高
■2月14日(後楽園ホール)
◇L・フライ級王座決定戦
1位・堀川謙一(三迫=38勝12KO15敗1分)
2位・戸高達(レパード玉熊=9勝3KO2敗4分)
元日本、WBOアジアパシフィック王者の堀川は38歳のベテランにして18年は4試合をこなして精力的なところを見せた。15年以来2度目の日本王座獲得を狙う。一方の戸高は29歳にして初のタイトル戦だ。
キャリアや試合運びはタイトルマッチの舞台を数多く踏んでいる堀川が一枚も二枚も上だろう。多少の被弾は恐れずガンガン攻める戸高の勢いが、はたして堀川に通用するかどうかが見どころだ。