3階級を制したWBO世界フライ級チャンピオンの田中恒成(畑中)が11日、名古屋市内のジムで練習を公開した。田中は16日、岐阜メモリアルセンターで愛ドームで元WBA世界L・フライ級V7王者の田口良一(ワタナベ)と初防衛戦を行う。
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練習では笑顔も見られた田中。運命の一戦はであと5日
試合まで1週間を切ったとあり、田中の減量は佳境に入っていた。昔ながらの石油ストーブがたかれた蒸し暑いジムで、田中の声は少しかすれていたが、「やるべきことはやってきたし、けがもなく順調にここまできた」とはっきり口にした。
言葉通り練習に不安はない。今回は「集中力」をテーマに掲げ「相手のパンチをぼんやり見るのではなく、パンチが出てくる瞬間をしっかり見るよう意識して練習してきた」という。相手のパンチを見切れば、ディフェンスはもちろん、攻撃でも優位に立つことは言うまでもないだろう。
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父の斉トレーナーのスティックミットで動きを確認
田口へのリスペクトは健在で「すべてをかけてくると思うので厳しい試合になると思う」。田口が初回から仕掛け、打撃戦になることも覚悟している。一方で「前回の試合(王者の木村翔からタイトルを奪取)を乗り越えたので、今回のほうが自信はある」とも。勝利へのゆるぎない自信を感じさせた。
減量はきついだろうが、シャドーボクシングやミット打ちといった動きには鋭さがあり、充実した印象を与えたチャンピオン。「THE FATE」(運命)と題された試合への準備は万全に見えた。