田口良一(ワタナベ)に判定勝ちしてWBO世界フライ級王座の初防衛に成功したチャンピオン田中恒成(畑中)が17日、名古屋市内のCBC放送で会見を行った。
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会見した左から畑中会長、田中、斉トレーナー
「勝てて本当によかった」と切り出した田中だが、試合の内容には納得していない。「正直、ほぼ反省点ばかり」。昨夜は一度だけ映像を見直したところ、画面の中の自分は思うようなボクシングをまったくしていなかったという。
不満の理由の1つには、KO(TKO)勝ちのチャンスを逸したことがあるといい、この点はプロモーターの畑中清詞会長も「盛り上がった試合でしたが、10ラウンドぐらいに倒していればスーパースターへのスタートだった」と悔しがる。
もっとも、そうさせなかった田口のタフネスと気迫も称え、「(田口は)きつくなっても諦めなかった」と田中。昨夜に続き「試合直後に抱き合った時、倒れ込むようになっていたのが、特に印象的だった」とライバルのメンタル面の強さをあげた。「あらためて田口さんと試合をしてよかったと思う」と田中は語った。
今後について畑中会長は白紙を強調。次戦は防衛戦となる見込みで、田中自身にもいま戦ってみたい具体的な相手は思い浮かばないという。「興味があるとすれば統一戦。(対戦相手ではなく)ベルトですね」と田中は言うが、木村翔、田口に続く“よきライバル”は現れるのか――。
近く中京大学の卒業式に出席するチャンピオンは「入学して5年。卒業は純粋にうれしい」と喜んでいた。