OPBFミニマム級タイトルマッチが31日、横浜市の大さん橋ホールで行われ、チャンピオンの小浦翼(E&Jカシアス)が挑戦者13位リト・ダンテ(比)に12回1分18秒TKO負け。4度目の防衛に失敗し、デビューからの連勝記録も14(9KO)で止まった。
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小浦は最終回、ダンテの猛攻で力尽きた
WBC3位を筆頭に4団体で世界ランク入りの小浦が地元で凱旋試合。軽快なフットワークからジャブ、左ボディといつも通りの動きは最初だけで、小柄はダンテにプレスをかけられると、右フックや右アッパーを細かく被弾。ダンテは小浦の打ち終わりに右を徹底して狙った。
受けに回った小浦は、左右のボディ打ちで立て直しを図る。4回を終わっての採点は、ジャッジ2人が38-38×2、もう一人は39-37でダンテを支持した。
中盤も小浦はフットワークを生かした出入りのボクシングをあまりせず、近距離の攻防に身を投じ続けた。ボディや右ストレートで挑戦者にダメージを与えるシーンもあるが、先手を取って攻めるダンテの右、連打を浴びるシーンが少なからずあり、どうにも波に乗れない。8回を終わってダンテが77-75×2、78-74でリードした。
小浦はいいパンチを決めても、そのあとにやり返される、というパターンを繰り返した。終盤も攻めたが、被弾が多い。逆転を狙った最終回、ダンテの連打を浴びて、ロープにもたれかかったところでストップとなった。小浦は14勝9KO1敗。ダンテは16勝8KO10敗4分。
試合後の小浦は取材に応じず。スパーリングを含めてダウン経験が一度もないというダンテは「小浦はうまくて強いので勝てると思っていなかったのでうれしい。右は入ると思ったので練習してきた。ボディは効いたけど我慢した」と話した。
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内藤律樹(左)と近藤、ともに世界を目指すと宣言した
イベントは元日本&東洋ミドル級王者、カシアス内藤会長が開くE&Jカシアスジム15周年記念大会として行われた。
カシアス会長の次男、内藤未来がセミでタイ人選手を寄せ付けずに快勝。長男でOPBF・S・ライト級王者の内藤律樹は世界ランカーの近藤明広(一力)とのスパーリングを披露して大会を盛り上げた。
前座では、日本フェザー級15位の溜田剛士(大橋)が昨年12月にTKO負けした丸田陽七太(森岡)戦以来のリングで勝利。日体大出身の川端嗣穂(ワタナベ)がB級デビュー戦に勝利した。
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内藤未来は圧勝で記念大会の役目をはたした
◇ライト級6回戦
内藤未来(E&Jカシアス)[KO2回1分47秒]ピロム・ケンプーキアオ(タイ)
◇フェザー級6回戦
溜田剛士(大橋)[TKO6回1分42秒]レオリオ・アリザラ(比)
◇フライ級6回戦
川畑嗣穂(ワタナベ)[TKO2回35秒]ナッチャポン・ウィチャイタ(タイ)