日本S・フライ級王座決定戦の前日計量が5日、日本ボクシングコミッションで行われ、1位の中川勇太(レイスポーツ)と2位の木村隼人(ワタナベ)はともにリミットの52.1キロでクリア。試合はあす6日、後楽園ホールでゴングとなる。
決定戦は前王者の石田匠(井岡)の王座返上によるもの。その石田に昨年9月に挑戦して敗れたの木村(25勝16KO8敗)はタイトル初挑戦失敗後に2連勝して2度目のチャンスを手に入れた。
サウスポーの中川について木村は「左が強い。それをもらわないようにしたい」と警戒心を強める。サウスポーとはこれまでに、世界挑戦経験のあるAJバナル(比)、元世界王者オーレイドン・シッサマーチャイ(タイ)、のちの世界王者マーロン・タパレス(比)と世界レベルの選手と拳を交えているが、今回は周到に左とのスパーリングを重ね、サウスポーの感覚を磨いた。「今回は本当にとらないとダメ」と2度目の挑戦に並々ならぬ決意を抱く。
スピードを生かした出入りのボクシングが売りの木村に対し、中川は12勝9KO2敗1分の戦績が示すサウスポーの強打者だ。タイトル戦に向けて、「スピードがあって最高のパートナーだった」という日本フライ級王者の粉川拓也(宮田)と50ラウンド、全部で120ラウンドのスパーリングを積んで準備は万全だ。
中川が勝利すればジムにとって09年にOPBF・L・フライ級王座を獲得した家住勝彦以来のチャンピオンで、日本王者は初めての誕生となる。期待を背負う中川は「なかなか捕まえることはできないと思う」と木村のスピードを覚悟しつつ「あしたは左でチャンピオンになります」と強打爆発を宣言した。