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元王者の船井龍一さん 引退式で惜別友情スパー ホープ宇津木は無傷の6連勝マーク

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 30日後楽園ホールの「FIGHT THE POWER」メインに出場した日本ライト級8位の宇津木秀(ワタナベ)はタイのソムポート・シーサに2回2分27秒KO勝ち。プロデビュー以来の連勝を6(5KO)に伸ばした。

来年の飛躍に期待を持たせた宇津木

 きびきびとした動きのソムポート(4勝4KO2敗)に対し、宇津木も開始からテンポのいい攻撃を上下へと仕掛けた。スムーズなアッパーも織り交ぜて、2回早くも左右ボディで倒す。立ち上がったソムポートを追撃し、2度のダウンを追加した。最後は右アッパーによるクリーンノックダウンだった。

重岡兄は圧勝デビューを果たした

 同じリングでは、アマチュア5冠の実績を引っ提げてプロ転向したサウスポー重岡優大(ワタナベ)が3勝3KO2敗のマノップ・ウドムパナーワーリー(タイ)を相手にB級デビュー戦(48.5キロ契約)に臨み、2回2分16秒TKO勝ちを飾った。

 背の低いマノップを立ち上がりから左右ボディショットで攻め、2回に右フックでダウン。再開後の追撃でストップを呼び込んだ。

 重岡の弟は現WBOアジアパシフィック・ミニマム級王者の銀次朗。ひと足遅れてプロのスタートをきった重岡は「楽しかった。次は弟と同じリングで戦えるみたいだし、もっと楽しみたい」

船井さん(左)は高校時代の同級生中川と最後を締めた

 この日はほかにも元日本&WBOアジアパシフィックS・フライ級王者の船井龍一さん(34歳)の引退式が執り行われた。

 船井さんは高校時代の同級生でプロで日本王座を争ったライバルの中川健太(三迫)と惜別の真剣スパーリングを行った。セレモニーでは「世界挑戦は夢にまでみた舞台でした。本当にありがとうございました」とあいさつし、現役生活に終止符を打った。なお中川は12月8日大阪で日本王座返り咲きをかけて現王者奥本貴之(グリーンツダ)に挑戦する。

古谷(左)は元OPBF王者の中川から勝利

◇52.5キロ8回戦
古谷昭男(六島)[判定2-0(76-76、77-75×2)]中山佳祐(ワタナベ)
 元OPBFフライ級王者で現日本7位のサウスポー中山は左右へと動きながら左ストレートをコツコツ当てていくが、古谷の右を正面で食らう場面も目立つ。21歳の古谷はタイトなガードから繰り出す力強い右ストレートで奮闘。最終8回はもう一度ギアを上げたアタックで中山を脅かし、貴重なポイントをゲットした。殊勲の古谷は8勝3KO4敗。中山は11勝5KO5敗2分となった。

◇フェザー級6回戦
若松大輝(ワタナベ)[判定3-0]玉木善文(小熊)

◇女子アトム級6回戦
瀬川紗代(ワタナベ)[TKO2回1分18秒]ワッチャリン・コッドアム(タイ)


5階級制覇王者ドネアが井上尚弥の壁になる 衰え否定「私がバンタム級最強の称号を得る」

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 WBA世界バンタム級“スーパー”王者のノニト・ドネア(比)が31日、東京・神楽坂の帝拳ジムで練習を公開。11月7日にさいたまスーパーアリーナで行われるワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)バンタム級決勝、WBA・IBF王者の井上尚弥(大橋)との大一番に向けて意気込みを口にした。

レイチェル夫人、父のドネア・シニア・トレーナーと

 ドネアは米ラスベガスでトレーニングを積み、フィリピンのマニラ合宿をへて来日。「素晴らしいスパーリングをすることができた。最後にマニラの気候が追い込みに役立った。とても暑いのでメンタル的に研ぎ澄まされ、より高度なレベルに自分を高めることができた」とトレーニング・キャンプの成果を強調した。

 井上とのバンタム級頂上決戦はドネアにとっても「(20年のキャリアで)最も重要な試合になる」という大一番。井上に関しては「才能のあるボクサーで、私のようにパワーとスピードを兼ね備えている」とこれまでと同じように高く評価した上で、「プロボクサーとして命をかけて試合に臨んでいる。もちろん自信はある」と断言した。

 KO決着に関しては「この階級ではなかなかないパワーをお互いに持っているので、その可能性は大いにある」と語るにとどめた。

 そのスピードとパワーが「36歳という年齢で維持できているのか?」という質問には「20代のころと同じようにトレーニングして、20代のころのスピードとパワーを保っている。それにキャリアが加わった」とよどみなく回答。

左アッパー、左フックのパワーが強烈だったドネア

 井上が公開練習で発した「世代交代」という言葉には理解を示した上で「彼の世代にとって私の世代は大きな壁になっている。私はトレーニングによってその壁をより強固なものとしてきた」と井上の前に立ちはだかる強い決意を表明。父ノニト・ドネア・シニアと1ラウンドのミット打ちでは、破壊力のある左フックと左アッパーで記者の目をくぎ付けにし、体格のよさも印象付けた。

 視察に訪れた井上真吾トレーナーは「全力で打ってないと思いますけど、パンチは重そうですね。左もそうですけど、右も強いです」と印象を述べながら「お互いに楽しみにしている試合で、いい試合になると思います」と余裕の笑み。

 大橋秀行会長は「覚悟を決めてきているね。思ったよりも背が高いのが印象的。タイミングを合わせてくるカウンターが怖い」と表情を引き締めていた。

41歳の野中悠樹 米国プロモート会社と3年契約

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 井岡弘樹ジム(井岡弘樹会長)は31日、所属のWBOアジアパシフィック・ミドル級王者、野中悠樹(41)が米国のプロモート会社、GCP(グレッグ・コーエン代表)3年契約を結んだと発表した。

米国進出に意欲を見せる野中

 GCPは村田諒太(帝拳)に敗れWBA世界ミドル級タイトルを失ったロブ・ブラント(米)ら30人のボクサーを擁するプロモート会社。野中は米国のリングを主戦場に戦い、早ければ来年1月にも試合が組まれる見込み。

 世界ランキングに入っていない野中だが、コーエン代表に7年越しのラブコールでGCPでは初のアジア人ボクサーとして契約した。

 世界を目指していた野中は桂伸二トレーナーとともに、2012年に渡米、マジソン・スクエア・ガーデンで行われた世界戦を観戦。その際に勝利したオースティン・トラウト(米)をプロモートするコーエン代表にマッチメークを依頼しようとしたが、多忙を極めた代表とは接触できなかった。

 今年7月、大阪市のエディオンアリーナ大阪で村田がブラントに挑む試合の3日前にコーエン代表が滞在するホテルを野中と桂トレーナーが訪問。世界戦への熱意を語ったところ、コーエン代表が7年前に米国まで来ていたことを知り、野中に米国での戦いを組むことを約束した。

 野中は「米国のリングはミドル級の一番強い選手が戦うところ。そこでレベルを上げていって念願の世界のチャンスをつかみたい。この年までボクシングを続けてきたのはなんとしても世界戦を戦いたいからです。本場のファンの前で僕のボクシングをアピールしていきます」と夢の実現へ大きく踏み出せるとあって笑顔で語った。

 野中は日本とOPBFのS・ウェルター級王座を獲得、OPBFミドル級王座も獲得しており、戦績は34勝10KO10敗3分。これまで通り井岡弘樹ジムで練習を続け、試合が決まれば渡米する。

ウェルター級の岡澤セオンが優勝 五輪テスト大会

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 東京・両国国技館で開催されていた東京五輪のテスト・イベント「READY STEADY TOKYO」が31日最終日を迎え、男子5階級、女子3階級の決勝が行われた。期待のウェルター級岡澤セオン(鹿児島体育協会)がアシシ(インド)を4-1判定で破り日本選手として唯一の優勝を飾った。

日本人選手で唯一の優勝を飾った岡澤(左)

 国際大会初出場のアジア選手権大会(4月)で銀メダルを獲得し一躍注目を集めた岡澤はこの日もサウスポーからのアウトボクシングが冴え、同じサウスポーのアシシを制した。ジャッジ5人のうち4人は30-27のフルマーク。残る1人は逆に29-28でアシシの勝ちという採点だった。

 勝利のアナウンスを聞くと、笑顔で勝ち名乗りを受けた岡澤。しかし試合後のコメントは「アジアや世界選手権で、最後は勝って終われていなかったので、今回は勝ちたいというより、勝たないといけない大会という位置付けでした」とクールだった。11月21日から始まる全日本選手権大会(鹿児島)は五輪出場のための重要大会となるが、「絶対に五輪につなげる大会にします」という表現で必勝を誓っていた。

 ガーナ人の父と日本人の母との間に生まれた岡澤(23)。陸上のサニブラウン、バスケットの八村塁らと比較されるというが、「刺激になるし、彼らと同じレベルに行きたい。両方を足したぐらいに(有名に)なりたい」と目を輝かせていた。

 このテスト大会の決勝には岡澤を含め日本の4選手が残ったが、フライ級柏崎刀翔、ミドル級森脇唯人、女子フライ級河野沙捺は敗れ、準優勝となった。

 なおこの日は、審判が公正なジャッジを行っているかをモニタリングする装置の試験運用も行った。各ジャッジが赤青のボタンを押すことでいかに有効打を判定したかが可視化できる装置で、10点法の採点を行いつつ慣れない装置のボタンを押す作業に戸惑いを隠せない審判もいた。

井上尚弥の本が相次いで発売 試合後も続々登場予定

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 ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)バンタム級決勝を7日に控えたWBA・IBF同級王者の井上尚弥(大橋)の本が相次いで出版された。

 1日に発売の『勝ちスイッチ』(秀和システム)は『真っすぐに生きる。』(扶桑社)に続く井上本人の著書。早期KOを量産する井上の強さの秘密など、井上が結果を出すために何を考え、何を考えていないのか知ることができる一冊だ。

 10月25日に発売された別冊カドカワはまるごと一冊、井上尚弥を総力特集。ミュージシャンを取り上げることの多い同誌がスポーツ選手を取り上げるのはプロ野球の大谷翔平(ロサンゼルス・エンゼルス)以来とのこと。本人のインタビューのほか、ビートたけしとの対談、学生時代の友人が語る尚弥秘話など盛りだくさんの内容となっている。

 試合後もスポーツ総合誌『Number』が井上を柱としてボクシング特集号を発売するほか、他にも井上の表紙&特集を予定している週刊誌もある。さらにはNHKのドキュメンタリー番組も放送される予定だ。

IBF・S・フライ級戦が中止 岡田博喜がセミに昇格

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 今週土曜日2日(日本時間3日)米カリフォルニア州カーソンのディグニティ・ヘルス・スポーツ・パークで予定されたIBF・S・フライ級タイトルマッチがキャンセルされた。理由は王者ジェルウィン・アンカハス(フィリピン)に挑む予定だった挑戦者ジョナサン・ロドリゲス(メキシコ)の米国入国ビザ発給に問題があったため。メインのWBC・S・フェザー級タイトルマッチ、王者ミゲール・ベルチェルト(メキシコ)vs.挑戦者ジェイソン・ソーサ(米)は挙行される。

 このためストリーミング配信ESPN+で中継予定だった岡田博喜(角海老宝石=写真)vs.ハビエル・モリナ(米)のS・ライト級10回戦がセミ格に昇格。ESPNとESPNデポルテスによって全米にテレビ中継される。

 またアンダーカードのウェルター級8回戦では、メキシコシティ在住の日本人ボクサー、坂井詳記が前WBOユース王者ゴル・エリツィアン(アルメニア)と対戦する。米国2戦目のエリツィアンは11勝10KO無敗の強打者。フレディ・ローチ氏に師事している。

名優スタローンがヘビー級王者ルイスに感動 ドキュメンタリー映像をプロデュース

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■映画「ロッキー」、「ランボー」シリーズで有名な俳優シルベスター・スタローンがヘビー級統一王者アンディ・ルイス(写真)のドキュメンタリー映像を制作。今月20日からスポーツ映像ストリーミング配信DAZNのユーチューブ・チャンネルで公開される。スタローンはルイスのアンソニー・ジョシュア戦のタイトル奪取に感激。「ボクシングほどドラマ、ヒューマニズム、苦痛があるものは世界に存在しない」と発言。戴冠から現在までのルイスの素顔に迫る。Photo/SUMIO YAMADA

■対戦相手の妹と交際していることで話題となったシャクール・スティーブンソン(米)vs.ジョエト・ゴンサレス(米)のWBOフェザー級王座決定戦のファイトマネーは新王者スティーブンソンが35万ドル(約3800万円)、敗れたゴンサレスは20万ドル(約2200万円)とだった。試合を中継したESPNがホームページで明かした。

■S・フェザー級の世界王者候補と期待されながら7月の米国進出2戦目でロジャー・グティエレス(ベネズエラ)によもやの初回KO負けを喫したエドゥアルド“ロッキー”エルナンデス(メキシコ)の再起戦がセットされた。11月30日、エルナンデス(21)はメキシコ北部のタマウリパス州で同国のセルヒオ“ダンディ”プエンテと対戦する。

あすS・ウェルター級日本ランカー全員登場 日本王者の松永は越川と初防衛戦

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 あす後楽園ホールの「ダイナミックグローブ」メインで挙行される日本S・ウェルター級タイトルマッチの計量が1日にJBC(日本ボクシングコミッション)で行われ、チャンピオン松永宏信(横浜光)、3位挑戦者越川孝紀(セレス)はともにリミット69.8キロで合格した。

松永(右)はV1戦でタイトル初挑戦の越川を迎えた

 松永(15勝9KO1敗)は5月に新藤寛之(宮田)に6回終了TKO勝ちで戴冠。これが初防衛戦のリングとなるが特別な気負いもなさそう。「越川選手に勝つ、それだけです」とシンプルなメンタルを持って試合に臨むつもり。

 この階級では小柄なほうだが、スピードと強い体を生かした前後左右への動きが特徴のサウスポー。「あすは縦横無尽に動いて、好き放題に戦いたい」と、松永は自分のスタイルを貫いて勝利&防衛を目指す。

 一方の越川(9勝6KO1敗)はアマチュアから転向して初のタイトルマッチ。「とにかくベルトを獲る。めちゃくちゃ欲しい」と率直だ。

「自分の強みは気持ち。行って行って、相手にもらってもそれ以上に返します」と超攻撃型スタイルを宣言した。「打ち合ったら勝てる。熱い試合を見てほしいです」と越川。

挑戦者決定戦は前王者の新藤(左)が清水と対戦

 セミでは、メインと同じ日本S・ウェルター級のカーニバル挑戦者を決める一戦が行われる。こちらは前王者で1位の新藤寛之(宮田)と2位清水優人(木更津GB)のカード。新藤が69.7キロ、清水が69.5キロで計量をクリアした。

 ベテラン新藤(20勝8KO5敗2分)はウェルター級王座も制したこともあるサウスポーの元2階級王者。松永に奪われたS・ウェルター級王座を再び獲るためにも、負けられない試合となる。

 清水(13勝5KO4敗2分)は2016年に大阪で野中悠樹に判定負けして以来2度目のタイトルマッチ出場を目指している。

 現在のS・ウェルター級は日本ランキングが3位までしか埋まっていない。つまり、あすはその全員が出場するというわけだ。


井上拓真を迎え撃つウーバーリが練習公開 「この試合は統一戦に向けた最初のステップ」

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 WBC世界バンタム級タイトルマッチ(11.7さいたまスーパーアリーナ)で暫定王者、井上拓真(大橋)と対戦する正規王者ノルディ・ウーバーリ(フランス)が1日、東京・神楽坂の帝拳ジムで練習を公開した。

1分程度のミット打ちを披露したウーバーリ

 時差調整のためカザフスタンで3週間のトレーニングを積んでから日本入りしたウーバーリは、アマチュア時代にオリンピックに2度出場、世界選手権ではメダルを獲得しているだけにアウェーに乗り込んでもリラックスした様子。「拓真と似たタイプとスパーリングをして準備をしてきた。あとは試合に臨むだけだ」と準備万端を強調した。

 拓真に関しては「いいボクサーだと思うし、正規のチャレンジャーでもある。よく動くし、速さもある」と一定の評価をしながらも、「決して軽くは見ていない」という発言からは、自分のほうが完全に“格上”という意識を感じさせた。

 トレーナーの兄アリ氏はウーバーリの強みを「知的な戦い方ができる選手」と説明した。本人も「自分はチェスのプレーヤーのようなところがあって、相手の動きを先読みして戦うことができる」と断言。今回も拓真の出方に合わせて、ベストの戦い方を選択するという。

左は兄でトレーナーのアリ氏、なんと18人きょうだい

 当日のメインはWBSSバンタム級決勝で、井上尚弥とノニト・ドネアがWBAとIBFの2冠をかけて覇を争う。ウーバーリもメインを意識している様子で「いまバンタム級は黄金時代を迎えている。拓真との試合は統一戦に向けた最初のステップになる」とさらなるビッグマッチを見すえた。

 1分程度のミット打ちを目にした真吾トレーナーは「いい意味で噛み合うと思いますね。自分とタクはチャレンジャーのつもりですが、試合が本当に楽しみです」とコメント。大橋秀行会長は「連打でぶれない。体幹強いんでしょう。思ったよりも小さいですが、思った以上に体つきがいい。おそらく持久戦になると思います」と試合を予想した。

岡田博喜が米国3戦目 再浮上なるか メインはS・フェザー級のベルチェルトV6戦

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 明日2日(日本時間3日)米カリフォルニア州カーソンのディグニティ・ヘルス・スポーツ・パークで挙行されるWBC世界S・フェザー級タイトルマッチの計量が1日行われ、王者ミゲール・ベルチェルト(メキシコ)が129.8ポンド(58.88キロ)、挑戦者4位ジェイソン・ソーサ(米)が128.2ポンド(58.15キロ)を計測。リミット130ポンドを合格した。

ビッグマッチを狙う王者ベルチェルト(左)と挑戦者ソーサ

 6度目の防衛戦となるベルチェルト(36勝32KO1敗)は前々回ミゲール・ローマン、前回フランシスコ・バルガスと激闘型のメキシカンを連続ストップ。この一戦に勝ってS・フェザー級に進出する前フェザー級王者オスカル・バルデス、自身がライト級へ上がりワシル・ロマチェンコ挑戦などビッグマッチを希望している。

 プエルトリコ系のソーサ(23勝16KO3敗4分)は16年6月、北京でハビエル・フォルトゥーナをストップしてWBA・S・フェザー級“レギュラー”王者に君臨。V1後返上し、WBO王者ワシル・ロマチェンコに挑みストップ負け。現在3連勝中で2度目の王座を目指す。

岡田(左)はモリナと対戦

 セミ格ではS・ライト級の岡田博喜(角海老宝石)が米国第3戦。前回2月の試合で元王者ライムンド・ベルトランに9回KO負けした岡田(19勝13KO1敗)は再起戦。相手は北京五輪代表の実績を持つハビエル・モリナ(米=20勝8KO2敗)。141ポンド契約の10回戦は岡田が140.8ポンド(63.87キロ)、モリナが141ポンド(63.96キロ)を計測した。

 またウェルター級8回戦に出場するメキシコ在住の坂井詳記は146ポンド(66.22キロ)、相手のゴル・エリツィアン(アルメニア)は147.8ポンド(67.04キロ)だった。Photos/TopRank

予想はカネロが有利 あす4階級制覇に挑戦 王者コバレフは“4度目”で計量パス

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 カネロの2階級越えなるか? ミドル級統一王者サウル“カネロ”アルバレス(メキシコ)がWBO世界L・ヘビー級王者セルゲイ“クラッシャー”コバレフ(ロシア)に挑むタイトルマッチの計量が1日、一般公開で行われた。

戦前の予想はカネロ(左)がコバレフに対してやや有利だ

 最初にハカリに乗ったカネロはリミット175ポンド・アンダーの174ポンド1/2(79.15キロ)で合格。しかしコバレフは1回目176ポンドを計測。ネックレスを外して再度ハカリに乗ったが175ポンド1/2。続いてブリーフを脱いでトライしたが175ポンド1/4で針は止まった。だが5分後、同じく全裸で175ポンド(79.38キロ)をマークし事なきを得た。

 試合は明日2日(日本時間3日)ラスベガスのMGMグランド・ガーデン・アリーナでゴングが鳴る。予想賭け率は4-1ほどでカネロ有利と出ている。

コバレフ(右)は体格差をいかせるか

 計量を終えたカネロは「キャンプでは体重を“落とさない”ことに主眼を置き、自分より重い選手とのスパーリングで鍛えた。試合序盤は難しい展開になるかもしれないが、タイミングを合わせながらペースを引き寄せたい」とコメント。一方コバレフは体力の回復に努めるためか足早に会場をあとにした。

 セミのライト級12回戦は“ゴールデンボーイ2世”ライアン・ガルシア(米)、ロメロ・デュノ(フィリピン)ともリミット135ポンド(61.23キロ)で明日のリングを迎える。Photos : Tom Hogan-Hoganphotos/GoldenBoy

帝拳オール8回戦興行 正木脩也がタイトル戦に前進 ホープ中野幹士は4連続KO勝ち

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 帝拳ジム主催のオール8回戦興行が2日昼、後楽園ホールで行われ、期待のA級ボクサーたちが登場。メインのS・フェザー級8回戦は、日本同級3位の正木脩也(帝拳)がフィリピン同級8位ローマン・カント(比)に3回KO勝ち。タイトル挑戦に前進した。

正木(右)はスタートから冷静にカントを仕留めた

◇S・フェザー級8回戦
正木脩也(帝拳)[KO3回1分7秒]ローマン・カント(比)
 正木が契約体重を800グラム超過のカントに対し、初回からワンツー、左ボディで攻めていく。カントは右を振り回して抵抗したが、3回に正木の左ボディが決まるとダウン。このとき右足がつったようで、10カウントとなった。初メインでKO勝利の正木は14勝6KO1敗。カントは13勝7KO13敗3分。

正木の話「バランスを変えてみて、前重心を後ろ重心にしたらパンチをもらわないようになった。後ろと言うか中心ですね。前回の試合は終わったあとに母親に2時間怒られた。今回は大丈夫だと思います」

大嶋(左)相手のラフなアタックにも最後まで崩れなかった

◇バンタム級8回戦
大嶋剣心(帝拳)[3-0(76-75、79-74、80-70)]エラニーノ・セメジャーノ(比)
日本バンタム級2位の大嶋は足を動かしてサウスポーのセメジャーノの左を外し、右を軸にして試合を組み立てた。3回にセメジャーノが圧力を強め、大嶋は左、右フックを被弾したものの大崩れはしなかった。4回にセメジャーノはヘッドバッティングで減点1。

 後半はセメジャーノが頭を下げて力強いアタックを仕掛けてきたが、大嶋は足を使いながら右カウンター、左フックで主導権を渡さない。セメジャーノは最終回に猛攻に出たが、再びバッティングで減点1となった。大嶋は7勝3KO1敗1分。セメジャーノ17勝5KO11敗3分。

梶(右)は初回にダウンを喫しながら追い抜いて判定勝ち

◇S・フライ級8回戦
梶颯(帝拳)[3-0(76-75、77-74×2)]ディオメル・ディオコス(比)
 日本S・フライ級3位の梶は初回、フィリピン同級6位ディオコスの右を食らってダウンという立ち上がり。梶はここからガードを意識し、ボディ打ちなどで追い上げていくが、ディオコスの右スイングに対応しきれず、ヒヤヒヤさせられる。4回にディオコスは梶のパンチで左目尻をカットした。

 後半は馬力のある梶が圧力をかけ、ディオコスが下がる展開。梶はボディ打ちでディオコスを弱らせていく。梶は最終回もディオコスを追い込んで逆転勝ちした。梶は14勝9KO。ディオコスは14勝4KO5敗3分。

ウェルター級の玉山(左)は3回でフィニッシュ

◇ウェルター級8回戦
玉山将也(帝拳)[TKO3回2分49秒]ワチラサク・ワイヤウォング(タイ)

◇64.4キロ8回戦
李健太(帝拳)[負傷引き分け3回1分33秒]リボ・クンディマン(インドネシア)
 サウスポー対決。体格で上回る李がジャブ、右ボディで先制するものの、踏み込んで一発を狙うクンディマンの左が李の顔面をとらえるシーンもあり気が抜けない。李は2回に偶然のバッティングで眉間をカットし、3回にも右目じりから出血。これでクンディマンが勢いづいたところで、負傷ストップとなった。李は2勝1KO1分。クンディマンは9勝5KO2分。

左を炸裂させて試合を終わらせた中野

◇フェザー級8回戦
中野幹士(帝拳)[TKO3回18秒]KJ・ナトゥプラグ(比)
 東農大出身のサウスポー中野に対し、ナトゥプラグはワイルドに右を振っていく立ち上がり。初回はクリンチも多かったが、中野は左ボディから相手を崩していこうとした。ボディを効かせた中野は3回、強烈な左を叩き込んで比人をキャンバスへ。ノーカウントでストップとなった。中野はデビューから4連続KO勝ち。ナトゥプラグは8勝7KO2敗2分。

あす東日本新人王決勝 フェザー級は亀田か、今成か

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 あす3日後楽園ホールでゴングとなる第76回東日本新人王決勝の計量が2日、日本ボクシングコミッションで行われた。ライト級に出場予定だった無敗の佐々木尽(八王子中屋)が棄権。対戦相手の齋藤眞之助(石川・立川)が計量に合格し、全日本新人王決定戦に駒を進めた。

フェザー級で激突の今成(左)と亀田

 亀田3兄弟の従兄弟、フェザー級の亀田京之介(協栄)は「決勝は12月なんでいつもと同じ感じです」と通過点を強調。サウスポーは初対戦となるが、「いつも通り足をつかっていけば問題ない」と亀田家初の新人王獲得に自信を見せた。

 対戦相手の無敗サウスポー今成は、朝まで減量に苦しんだことを明かした上で、「トレーナーからは狙えるなら狙っていけと言われている。自分から積極的に攻めていきたい」とKO勝利に意欲を見せた。

◇ミニマム級4回戦
森且貴(大橋=4勝1KO)vs.縄井愁(ワタナベ=3勝2KO1敗)

◇L・フライ級5回戦
安藤教祐(KG大和=6勝3KO1敗)vs.髙根秀寿(角海老宝石=4勝1KO)

◇フライ級5回戦
具志堅広大(竹原&畑山=4勝3KO5敗)vs.臼井春樹(八王子中屋=4勝1KO2分)

◇S・フライ級5回戦
入稲福敬(ドリーム=5勝4KO4敗)vs.目黒聖也(セレス=4勝3KO)

◇バンタム級4回戦
永冨寛治(フラッシュ赤羽=1勝1分)vs.小笠原梢太(シャイアン大嶋=4勝3KO2敗)

◇S・バンタム級5回戦
梅本耕孝(新日本木村=5勝2敗1分)vs.竹原毅(協栄=4勝)

◇フェザー級5回戦
今成太希(三迫=5勝3KO)vs.亀田京之介(協栄=4勝3KO1敗1分)

◇S・フェザー級4回戦
佐藤諄幸(厚木ワタナベ=5勝3KO1敗1分)vs.谷口彪賀(八王子中屋=2勝1KO2敗1分)

◇ライト級5回戦
齋藤眞之助(石川・立川=5勝2KO3敗)[中止]佐々木尽(八王子中屋=7勝6KO)=棄権

◇S・ライト級4回戦
本多航大(川崎新田=3勝2KO1敗)vs.小林柾貴(イマオカ=5勝3KO)

◇ウェルター級
永田勝大(新日本木村=4勝5敗)vs.足名優太(渡嘉敷=3勝1敗)

◇ミドル級
舟津純(伴流=5勝3KO3敗2分)vs.湯澤卓巳(宇都宮金田=2勝1KO1分)

松永宏信が4回TKO勝ち 日本S・ウェルター級V1

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 日本S・ウェルター級タイトルマッチが2日、後楽園ホール「ダイナミックグローブ」のメインで行われ、チャンピオンの松永宏信(横浜光)が挑戦者3位の越川孝紀(セレス)に4回2分8秒TKO勝ち。初防衛に成功した。

松永(右)は有効打を重ねてストップを呼び込んだ

 スタートは越川がアグレッシブに飛び出したが、サウスポーの松永は機動力とコンビネーションで対処した。2回には松永の右がフックが当たり始め、さらに連打を浴びせると、越川もパンチをもらいながら右で対抗。しかし越川はパンチで右目上部をカットした。

 3回に入ると松永のパンチがさらに精度を上げ、越川はそのたびに踏みとどまって勝利への執念を見せたが、被弾と出血が多く、4回にストップとなった。

 松永は16勝10KO1敗。「初防衛はなんとしてもしたかった。足を使おうと思っていたけど打ち合ってしまった。(挑戦権を得た)清水選手は長身でやりにくいところがあるけど倒しにいきます」。越川は9勝6KO2敗。

初回にダウンを奪った清水。悲願の日本タイトルに前進

◇日本S・ウェルター級挑戦者決定8回戦
清水優人(木更津グリーンベイ)[3-0(76-75、77-75、77-74)]新藤寛之(宮田)
 ランク2位の清水が初回、右ストレートを日本2階級制覇の前王者、新藤のボディに決めると、バランスを崩した新藤が清水の足にも引っかかって尻もち。これがダウンと判定される幕開けとなった。序盤は清水の右が良かったが、中盤に入ると新藤が左ストレート、右フックのタイミングを合わせ始めた。

 後半は清水が右、新藤が左で互いにヒットを奪う接戦に。新藤は終盤ややペースダウンし、清水の気迫が上回った印象だった。16年4月以来、2度目の日本タイトル挑戦権を手にした清水は14勝5KO4敗2分。王座返り咲きが遠のいた新藤は20勝8KO6敗2分。

高橋(右)は世界挑戦失敗後、2連勝をマーク

◇S・バンタム級8回戦
高橋竜平(横浜光)[TKO5回2分44秒]ジョン・バサン(インドネシア)
 日本S・バンタム級7位の高橋は出入りのボクシングでバサンを寄せ付けなかった。序盤から右ストレートを再三ヒットしながら、バサンに粘られていた高橋だが、5回にグラつかせるとラッシュして試合を終わらせた。高橋は18勝8KO4敗1分。バサンは8勝5KO2敗。

◇S・フライ級8回戦
今川未来(木更津グリーンベイ)[2-0(77-75、78-74、76-76、)]薮崎賢人(セレス)
 サウスポー対決は薮崎が初回からプレスをかけ、日本S・フライ級10位の今川に左ストレート、右フックを打ち込んで優勢。今川はパンチで眉間をカットした。足を使う今川も2回、左カウンターを決めて応戦。中盤は手数で上回る今川がやや優勢という印象だ。今川は6回にピッチを上げて連打で攻勢。終盤も攻めて薮崎を振り切った。今川は11勝3KO5敗。薮崎は7勝5KO4敗1分。

◇バンタム級8回戦
千葉開(横浜光)[TKO2回1分49秒]ジョージ・ルモリー(インドネシア)
 振り回してくるルモリーのパンチをバックステップでかわす千葉は2回に3度のダウンを奪ってストップ勝ちした。日本バンタム級10位の千葉は12勝8KO1敗。ルモリーは14勝10KO7敗1分。

ヘイニーの相手はドミニカ人 WBCライト級V1戦

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 9日(日本時間10日)ロサンゼルスのステープルズ・センターで防衛戦を予定するWBC世界ライト級王者デビン・ヘイニー(米)の対戦相手が決まった。ヘイニー(23勝15KO無敗=写真)はアルフレド・サンティアゴ(ドミニカ共和国=12勝4KO無敗)を挑戦者に迎える。

 ヘイニーは9月、ザウル・アブドゥラエフ(ロシア)とのWBC暫定王座決定戦でTKO勝ち。20歳でベルトを獲得した。その後メキシコのカンクンで開催されたWBC総会で正規王者のワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)がフランチャイズ王者に昇格。それによりヘイニーが正規王者にシフトした。

「試合が締結してとてもハッピー。私はWBCチャンピオンだけでなく他のベルトも保持していると思って戦う。勝利は21歳の誕生日の最高のプレゼントになる」とヘイニー。早くも大物を予感させる発言している。

 対するサンティアゴは「彼が私を選んだのは間違い。ミスター・ヘイニーは恐ろしい選手だけど私が勝つ」とアップセットを誓っている。

 同じリングでWBO世界S・ミドル級王者ビリー・ジョー・サンダース(英)がマルセロ・コセレス(亜)と防衛戦。メインはKAIとローガン・ポールのユーチューバー対決の再戦。Photo/SUMIO YAMADA


米国3戦目の岡田博喜 無念の65秒KO負け 坂井詳記はホープに判定負け

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 2日(日本時間3日)米カリフォルニア州カーソンのディグニティ・ヘルス・スポーツ・パークのリングに上がった元日本S・ライト級王者の岡田博喜(角海老宝石=写真)はハビエル・モリナ(米)との10回戦で初回1分5秒KO負けを喫した。

 開始後モリナの右クロスで一瞬動きが止まった岡田。そこを突かれモリナの左をテンプルに食らい右を追撃されて倒れる。カウント後、畳みかけたモリナの連打でコーナーに詰まった岡田は右をもらい崩れるように2度目のダウン。ラウル・カイース・シニア主審はダメージを考慮してそのままストップをかけた。

 北京五輪代表のキャリアがあるモリナは21勝9KO2敗。兄カルロスは以前米西海岸で活躍。双生児のオスカーもボクサーというボクシング一家の一人。2月のライムンド・ベルトランに続く連敗の岡田は19勝13KO2敗。

 同じリングで行われたウェルター級8回戦では、メキシコシティ在住の坂井詳記がゴル・エリツィアン(アルメニア)と対戦。この日まで11勝10KO無敗のエリツィアンが強打を振り出して攻勢。対する坂井は相手の打ち終わりにパンチを返して対処する。だが左ボディーなどを決めるエリツィアンが4回までリード。

 5回、坂井がパンチを上下に決めて挽回を図る。終盤追い上げた坂井だったが前半の展開が影響し、スコアは77-75、79-73、80-72の3-0でエリツィアンの手が上がった。坂井は23勝13KO11敗2分。

ベルチェルト圧勝 ソトを4回KOで下しV6

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 2日(日本時間3日)米カリフォルニア州カーソンのディグニティ・ヘルス・スポーツ・パークで挙行されたWBC世界S・フェザー級タイトルマッチは王者ミゲール・ベルチェルト(メキシコ=写真)が挑戦者4位ジェイソン・ソーサ(米)に4回2分56秒KO勝ち。6度目の防衛に成功した。

Photo/SUMIO YAMADA

 初回から体格を生かしてベルチェルトが優勢。2回、左右でチャージするとソーサがたまらず倒れる。カウント後、右を痛打したベルチェルトがソーサを蹂躙するようにラッシュ。耐えるソーサがパンチを返して沸かせる。

 3回、懸命に手数を出して食い下がるソーサにラウンド終盤ベルチェルトが打ち返して終了。4回、ベルチェルトは再び攻勢を強め、ソーサは左目をカット。強烈なボディー打ちを連発した王者がソーサにヒザを着かせる。続行に応じた挑戦者だったが、また連打に晒され、コーナーはタオルを要求した。

 ベルチェルトは次戦で対戦したい相手にS・フェザー級に転向する前WBOフェザー級王者オスカル・バルデスの名前を挙げた。ベルチェルトは37勝33KO1敗。ソーサは23勝16KO4敗4分。(三浦勝夫)

カネロが4階級制覇 コバレフを11回に仕留める

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 2日(日本時間3日)米ラスベガスのMGMグランドで挙行されたWBO世界L・ヘビー級戦は、挑戦者でミドル級王者のサウル“カネロ”アルバレス(メキシコ)がチャンピオンのセルゲイ・コバレフ(ロシア)に11回2分15秒TKO勝ち。2階級ジャンプして新たにタイトルを獲得した。

 激しい主導権争いが続いた一戦はカネロが豪快なKOで決めた。コバレフのジャブの弾幕をガードしながら、カネロはスピーディーなブローを差し返した。中盤に差し掛かるとパワーパンチの数を増やして圧力を強め、5回には左フックでコバレフを煽る。コバレフも崩れず、ジャブ、ストレート、逆ワンツーで懸命にポイントにつなげた。

 6回に入るとコバレフはやや疲れがうかがえたが、カネロは行くところは行く、さばくところはさばくの冷静なペースメイクで中盤をおさえた。10回、コバレフに右ストレートを見舞い、エスケープして身を寄せてきた瞬間には右打ち下ろしから左ボディで威嚇するなど、相手に気を抜く暇を与えない。

 迎えた11回、左フックで効いたコバレフが体の制御を失う。すかさずカネロが右ストレートを打ち込むと王者の長身がロープに引っかかるようにして崩れ落ちた。ここでラッセル・モーラ主審が試合をストップした。10回までのスコアは96-94(2者)、95-95でカネロの2-0。

 カネロ(53勝36KO1敗2分)はこれで4階級制覇を達成。現在はWBC&WBAスーパーのミドル級王座とWBA・S・ミドル級レギュラー王座をあわせ持っており、3階級でベルトを同時保持することに。1930年代の名王者ヘンリー・アームストロング以来の偉業だとアピールされている。階級も団体も数少なかった当時とは一様に比べられまいが……。

 今後はカネロがどの階級で戦うのか注目される。コバレフ(34勝29KO4敗1分)はタイトルの2度目の防衛に失敗した。

東日本新人王決勝 フェザー級の亀田京之介がMVP 3回TKO勝ちで全日本新人王決定戦に進出

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 第76回東日本新人王決勝が3日、後楽園ホールで行われ、中止となったライト級を除く10階級で優勝が争われた。勝者は東軍代表として12月22日の全日本新人王決定戦(後楽園ホール)に挑む。西軍代表決定戦は10日に大阪で行われる。

 なお、最優秀選手賞にはフェザー級の亀田京之介(協栄)が輝き、技能賞はミニマム級の森且貴(大橋)、敢闘賞はS・ライト級の本多航大(川崎新田)が選ばれた。

森(左)は最初から最後までアグレッシブに攻めた

◇ミニマム級4回戦
森且貴(大橋)[3-0(40-36×3)]縄井愁(ワタナベ)
 森は初回から距離を詰め、右と左ボディの対角線で縄井を攻めた。縄井も近距離で対抗。多くのパンチをもらいながら最後まで抵抗を続けた。19歳の森は5勝1KO。デビュー戦で森に負けている縄井はリベンジならず。3勝2KO2敗。

森の話「きれいにやりたいと思っていたけど、今回も激闘になってしまった。次の全日本も取って、東で戦った人たちにも恩返ししたい」

安藤は2回に髙根からダウンを奪った

◇L・フライ級5回戦
安藤教祐(KG大和)[3-0(48-46×3)]髙根秀寿(角海老宝石)
 アウトボクシングの安藤を髙根が追った。安藤は2回、右を決めてダメージを与え、さらに右アッパーでダウンを奪う。髙根は3回から懸命に追い上げたが、安藤が逃げ切った。安藤は7勝3KO1敗。髙根は4勝1KO1敗。

安藤の話「ダウンをとったあとに慌ててしまったのが反省点。倒しきれる選手になりたい」

臼井(右)はジャブと右ストレートが冴えて大差判定勝ち

◇フライ級5回戦
臼井春樹(八王子中屋)[3-0(50-45×3)]具志堅広大(竹原&畑山)
 身長で15センチほど上回る臼井がジャブと左右の動きで試合をコントロール。2回からは右も再三ヒットしてリードを広げた。具志堅は4回に反撃を試みたが、流れを変えるまでにはいたらなかった。臼井は5勝1KO2分。具志堅は4勝3KO6敗。

臼井の話「距離を取って戦えた。西の人はもっとうまいと思うので、技術とスタミナをつけて全日本に臨みたい」

サウスポーの目黒(右)はリーチに加えスピードがあった

◇S・フライ級5回戦
目黒聖也(セレス)[3-0(48-47×2、49-46)]入稲福敬(ドリーム)
 スピードが自慢のサウスポー目黒が初回、左ストレート、左ボディアッパーをビシビシ打ち込んで先制。動きについていけなかった入稲福は徐々にペースアップして目黒をつかまえ始めたが、目黒が4回に左ボディアッパーを連打し、入稲福にダメージを与えて悪い流れを断ち切った。20歳の目黒は5勝3KO。入稲福は5勝4KO5敗。

目黒「めちゃくちゃうれしい。相手はタフだった。みなさんの応援のおかげて勝てたので、全日本も応援よろしくお願いします」

手数はやや少なめながら要所でパンチを決めた小笠原(左)

◇バンタム級4回戦
小笠原梢太(シャイアン大嶋)[3-0(40-36×3)]永冨寛治(フラッシュ赤羽)
 スタートは永冨が手数で上回ったものの、小笠原がパンチの威力と精度の高さで優勢に試合を進めた。決定打を打ち込めなかったものの、最終回は左フック、右ショートを効かせてゴールテープを切った。小笠原は5勝3KO2敗。永冨は1勝1敗1分。

小笠原の話「うれしさ20点、反省が80点。手数が出なかった。次も勝ちます」

竹原はうれしい初KO勝ちをマーク

◇S・バンタム級5回戦
竹原毅(協栄)[TKO3回2分44秒]梅本耕孝(新日本木村)
 サウスポーの竹原はどっしり構えて初回からジャブ、左ストレート、左ボディアッパーで優位に立った。2回に左アッパーでダウンを奪い、3回にグラつかせてストップとなった。竹原は5勝1KO。まもなく37歳の梅本は距離を詰められず5勝3敗1分。

竹原の話「やっとKOできたなという感じ。ここは通過点。次の全日本に勝ってランカーなので、そこがスタートラインだと思っています」

亀田は得意の右カウンターで試合を決めた

◇フェザー級5回戦
亀田京之介(協栄)[TKO3回1分10秒]今成太希(三迫)
 足を動かしてカウンターを狙う亀田をサウスポーの今成が追う展開。亀田は初回に今成の左で右目上部をカットしたものの、初回から右カウンターを今成に叩き込んだ。2回に右で今成をグラつかせた亀田は3回にも右カウンターでダメージを与え、締めも右カウンターで今成をキャンバスに沈めた。亀田は5勝4KO1敗1分。攻め急いだ今成は5勝3KO1敗。

亀田の話「ほんまは12月の22日に勝ってから言いたかったですけど、ここで言わせてください。どんなもんじゃい! 正直サウスポーの選手で得意じゃなくて心配だったですけど、勝てて良かったです」

谷口(右)は打撃戦を手数で制した

◇S・フェザー級4回戦
谷口彪賀(八王子中屋)[2-0(39-37×2、38-38)]佐藤諄幸(厚木ワタナベ)
 サウスポーの谷口は初回こそ佐藤をさばいたが、2回からは頭をつけての接近戦。両者ともに譲らなかったが、最後は谷口が手数で上回った。谷口は3勝1KO2敗1分。佐藤は5勝3KO2敗1分。

谷口の話「今日の試合は30点。もともと足を使うつもりがボディをもらって効いて接近戦で戦わざるを得なかった。全日本、日本、アジア、東洋、世界を獲って恩返しできるように少しずつやっていきたい」

◇ライト級5回戦
齋藤眞之助(石川・立川)[中止]佐々木尽(八王子中屋)=棄権
齋藤の話「ラッキーだった。全日本に勝ってランカーになって、胸を張って全日本新人王になったとみなさんに伝えたい」

小林からダウンを奪ってガッツポーズの本多

◇S・ライト級4回戦
本多航大(川崎新田)[TKO3回46秒]小林柾貴(イマオカ)
 小林がジャブ、打ち下ろしの右で先制、先手を取って攻めていったが、本多は低い姿勢で前に出てボディ攻めで対抗。2回には打撃戦に小林を引きずり込み、右フックで小林をなぎ倒した。小林は3回開始と同時に勝負をかけたが、本多の左フックが決まって崩れ落ちた。本多は4勝3KO1敗。小林は5勝3KO1敗。

本多の話「相手は初回から手数が出て、自分が被弾してきつかったですけど、持ち味である馬力でバンバンいくしかないと思って覚悟を決めて前に出た。全日本獲ります、勝ちます」

足名(右)は最終回に永田を追い込んだ

◇ウェルター級4回戦
足名優太(渡嘉敷)[3-0(40-36×3)]永田勝大(新日本木村)
 足名はボディ打ちとアッパーを軸に下から突き上げていくボクシング。手数も多い足名を永田は止められない。足名は最後までスタミナが切れず、最終回に永田をダウン寸前まで追い込んだ。足名は4勝1敗。雪辱ならずの永田は4勝6敗。

足名の話「勝ててほっとしている。歴史ある大会で新人王というタイトルをいただけるのはうれしい」

湯澤はデビューから1年で全日本新人王決定戦へ

◇ミドル級4回戦
湯澤卓巳(宇都宮金田)[2-0(40-36、39-37、38-38)] 舟津純(伴流)
 距離を取りたい舟津がジャブと右をよく打ち、距離を詰めたい湯澤は踏み込んで舟津にロープを背負わせた。後半は近距離で互いに譲らず打撃戦。最終回は湯澤が押し込み、ジャッジの支持を得た。湯澤は3勝1KO1分。舟津は5勝3KO3敗2分。

湯澤の話「勝ててうれしい。ここまでこれるとは思っていなかった。全日本はもっと練習してKOで勝ちたいです」

西の名門 グリーンツダジムが株式会社化 日本王者の奥本貴之ら看板選手が決意表明

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 グリーンツダジム(本石昌也会長)は3日、大阪市天王寺区のシェラトン都ホテル大阪で「株式会社グリーンツダ設立、後援会発足記念パーティー」を開いた。同時にトリプルタイトルマッチ(12.8エディオンアリーナ大阪第二競技場)に出場する日本S・フライ級王者の奥本貴之、前日本ウエルター級王者、矢田良太、日本ユースS・バンタム級王者、下町俊貴の壮行会を開いた。

壮行会で決意表明する奥本、矢田(左)と下町(右)

 パーティーには国会議員、枚方市長、山下正人・西日本ボクシング協会長、後援者ら約300人が出席。社長に就いた本石会長はあいさつで「世界王者3人を輩出した名門のグリーンツダジムを引き継いで5年半が経過。選手たちの頑張りで世界戦の舞台も見えてきました。テレビ局との交渉、銀行との取引など世界戦の準備をスムーズに進めるためジムを株式会社組織にしました」と設立の経緯を説明。

 続いてジムをバックアップする後援会組織ができ、先代時代からジムを応援している榎並信也・南栄商事社長の後援会長就任を発表した。

 壮行会で壇上に立った奥本は「今回もしっかりKOで勝ちます」と中川健太(三迫)とのV4戦の決意を表明。IBF世界S・フライ級15位に顔をのぞかせており、来年の世界初挑戦への意気込みを示した。WBOアジアパシフイック・ウェルター王座決定戦で「九州のタイソン」別府優樹(櫛間・別府優樹)とのハードパンチャー対決に臨む矢田は「今日来てよかったなと言われる試合にします」と豪快な打ち合いでの勝利を公約した。

 ユース王座初防衛の下町は相手がまだ決まっていないが「もっと上を目指していきます」と成長ぶりをアピールすることを約束した。

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