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WBO女子アジアパシフィックL・フライ級王座決定戦が14日、沖縄県の中城村民体育館で行われ、沖縄県警の警察官で同1位の池本夢実(琉球)は同2位ニラチャポン・タノームサックシー(タイ)に4回1分19秒TKO勝ちで新王者に輝いた。
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池本は開始のゴングと同時に左ジャブで距離を詰め、当たったとみるやいきなりワンツーをオープニングヒット。接近戦でもアッパー、フックを次々と繰り出し、早々に距離を支配した。
相手が顔面への攻撃を嫌がってガードを上がれば、左ボディーをレバーに突き刺した。試合前、最も練習してきたパンチだ。2回以降も左ボディーに左右のアッパー、離れれば顔面への右ストレートと上下の攻撃を面白いように決め、相手のスタミナを削った。
4回、連打でロープに詰め、左ボディーが鋭い角度でさく裂。余力や戦意を断ち切る1発でダウンを奪った。どうにか立ち上がった相手に連打を放つと、レフェリーが試合を止めた。
新王者になっても大喜びすることなく、冷静に勝ち名乗りを受けた池本。「大振りになって隙ができないよう、ポイントを押さえてしっかり打ち込めた」と振り返る。それでも「返しのパンチがまだまだ。連打でつながないと上のレベルでは難しい」と全く満足していない。
肩にかけた真新しいベルトは、世界ランキングへの通行手形だ。「WBO-APは通過点。世界のてっぺんを取るまでいきたい」と力を込めた。28歳の池本は9勝1KO2敗。27歳のニラチャポンは5勝2KO2敗。