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元世界ミドル級王者ダニエル・ジェイコブス(米)が13日、自身のインスタグラムで現役引退を発表した。ジェイコブス(37)は今月6日、カリフォルニア州アナハイムでシェーン・モズリーJr(米)と対戦し10回3-0判定負け。1年5か月ぶりのリングを飾れなかった。
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ニューヨーク・ブルックリン出身のジェイコブスはプロデビュー後20連勝17KOの快進撃。21戦目でドミトリー・ピログ(ロシア)とのWBOミドル級王座決定戦を争い、5回KO負けで初黒星。復帰してまたKO勝利を続けたが13年に骨肉腫というガンが発覚しキャリアの中断と引退の危機に立たせる。だが、放射物を使った治療と腫瘍を取り除く手術を行い、約2年ぶりにリングに復帰。“ミラクルマン”と呼ばれた。
その後、WBAミドル級王座に就き4度防衛に成功。ガンを克服して世界王者になった初の選手となった。17年3月にゲンナジー・ゴロフキンと19年5月にカネロ・アルバレスとそれぞれミドル級3団体統一戦を行い、善戦したものの、いずれも判定負けに終わった。途中の18年10月にIBFミドル級王座も獲得した。
最終戦績は37勝30KO5敗。「他のボクサーが私のストーリーからインスピレーションを沸かせてほしい。私の人生はリングの戦い以上の意味があった」と発信している。