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メキシコシティのアローヨ・レストランで9日(日本時間10日)行われたIBFフライ級王座決定戦はランキング1位のアンヘル・アヤラ(メキシコ)が3位デーブ・アポリナリオ(比/大橋)に6回KO勝ち。現WBC・S・フライ級王者ジェシー“バム”ロドリゲス(米/帝拳)が返上したベルトを獲得した。PHOTOS/ZANFER
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IBFルールにより行われた当日計量はアヤラが117ポンド(約53.0キロ)、アポリナリオは119.4ポンド(約54.1キロ)でクリアして開始ゴングが鳴った。硬さの見えるアヤラに対し、サウスポーのアポリナリオが右レバー打ちを決めて初回を取る。2回、アヤラも右ボディーを返して応戦。アポリナリオがガードでほぼブロックするものの、地元ファンの声援に後押しされるアヤラはプレスを強める。
4回、ボディー攻撃で打ち勝ったメキシカンだが5回は自身の低打で中断。アヤラは左構えにスイッチもしてチャージ。アポリナリオはスタミナの不安か、狙いすぎか、アクションが減っていく。
迎えた6回、アヤラの左ボディーでアポリナリオは一拍おいてダウン。再開後、また腹を効かせたアヤラはロープを背にしたアポリナリオに右フックを乱打する猛攻。コーナー付近に再び座り込んだアポリナリオは両手両膝をついてカウントアウトされた。
“カマレオン”(カメレオン)のニックネームで呼ばれるアヤラ(24歳)は18勝8KO無敗。一方、大橋ジムと契約しているアポリナリオ(25歳)は初黒星となった(20勝14KO1敗)。ボディーの耐久力を含めたコンディションが気になった。
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セミでは昨年、中谷潤人に挑戦したS・フライ級ランカー、アルヒ・コルテス(メキシコ=WBC13位)が同国のサルバドール・フアレス(WBC18位)に8回終了TKO勝ち。
イグナシオ・ナチョ・ベリスタイン氏もコルテスとともにリングイン。左の差し合いで幕を開けた試合はコルテスがジャブを軸に攻めるもののフアレスも大きな左右フックなどを返し、拮抗した展開で中盤に入った。右目周辺が腫れ始めたフアレスだが6回早々に左右のフックをヒット、バランスを崩したコルテスはダウン。苦笑いを見せながらコルテスは立ち上がった。
競った展開の試合はフアレスの右目がほぼ塞がった状態となり、迎えた8回は開始と同時にドクターチェックが入る。TKOを危惧したかフアレスがテンポアップしコルテスも応じると激しい打ち合いとなり、会場もヒートアップ。そこでフアレスは左眉からも出血をみる。結局、9回開始直後に再びドクターチェックが入り、それを受けてレフェリーがストップした。
有効打によるカットと裁定された傷で幸運も引き寄せた29歳のコルテスは27勝11KO4敗2分。健闘するも敗れた31歳のフアレスは19勝4KO9敗2分。