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「判定決着は許されない、流れをしっかり作って、仕留めるべき瞬間に仕留めるのがベスト」
9月3日に有明アリーナで保持する世界S・バンタム級4団体統一王座の防衛戦を予定するチャンピオンの井上尚弥(大橋)は挑戦者TJ・ドヘニー(アイルランド)撃退に自信のコメント――。21日所属ジムでメディアに練習を公開した際に、さらりと発したKO宣言だ。
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試合に備え、井上はメキシコから呼び寄せた4人の選手を相手にスパーリングを重ねてきた。いずれもドヘニーと同じサウスポーだが、テクニシャンあり、強打者ありと多彩。スパーは「これまで89ラウンド、試合までに100ラウンド前後」(真吾トレーナー)になるという。大橋秀行会長は「体調も万全。練習の内容も過去最高と言っていい」と絶賛していた。
今度の試合に勝つことを前提に年間3試合を予定しており、これは世界戦では17年以来となる。ハードなペースだが、本人は「全然問題ない」。31歳のいまもまだピークだと感じていないところもすごい。
挑戦者のドヘニーは37歳の年齢もあり、試合は井上の楽勝説もあるが、真吾トレーナーは「周りが言っているようなイメージは持っていない。(ドヘニーは)元チャンピオンでフィジカルも強い。尚弥も気を引き締め、油断とかは一切ない」と言い、チャンピオンも「気を抜かないことを意識して、練習で自分を追い込んだ」と明かす。連日猛暑が続いているが、そこは抜かりなく「オーバーワークにならないよう、体に無駄な疲労を溜めないよう工夫している」(井上)とのことだ。